2014年、ザックジャパンが強化すべきポイントとは? (3ページ目)

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 選手は、ああいう戦い方をすれば、ある程度できるという自信はつかんだと思う。ただ、少しでも油断すれば、途端にやられてしまう。組織で、グループで、1対1の場面を極力少なくして、人数をかけて攻守両面でハードワークを続ける。1試合で走る距離はひとり最大12キロぐらい。その走りを、メリハリをつけながらいかに効率よくやっていくか。

 もちろん個のレベルは上げ続けなければいけないが、半年で急激に上げることはなかなか難しい。それを組織力でカバーしていく。その組織を成立させるために、チームがひとつになってやっていく。日本はそれを得意としているのだから、その精度をできる限り高めていくべきだろう。

■ザッケローニ監督の「3-4-3」の可能性

 W杯の舞台で、どんなサッカーが日本にできるか。グループリーグは当然突破してほしい。なぜなら、勝ち上がることで強豪チームと本番の舞台で戦う機会が得られるからだ。自分たちのサッカーがどのぐらいできるのか、勝つためにチャレンジしてもらいたい。

 勝つためにいろんなことを考えて、結果を出して、なおかつ世界を驚かせるサッカーを見せられるか。日本サッカーの存在感を、世界に対して示せるかどうか。W杯に5大会連続で出場することになる日本サッカーは、そういう段階に来ていると私は思う。

 だからこそ、ザッケローニ監督は3-4-3にこだわりを持っているのだと思う。先日、ザッケローニ監督の話を聞いたとき、面白いなと思ったのは、「3バックにしたかったのではなく、まず3トップにしたかった」と話していたことだ。

 つまり、「攻撃的な選手を前線に3人置きたかった」と。「そして、攻撃の選手、特にサイドの選手が、できる限り守備をしないで攻撃に専念できるように、前に残したい。そのためには、中盤が3人では無理なので4人いる。中盤に4人いないと前の3人の両サイドが下がってくる。それは好ましくない。前の3人を攻撃に専念させることが最優先で、そのために私は中盤に4人置いた。4人置けば前線の選手が下がってこない。もちろん、11人しかピッチにいないので、必然的に後ろのDFは3人になってしまう」と言っていた。
 
 DFラインを3枚にするか4枚にするかという部分から布陣を考えたのではなく、前を3人にして、その前の選手が下がらないで済むように中盤を4人にしたら、残りのDFは3人になったということだ。フォーメーションを構築するスタート地点が3トップにあり、前線の3枚を攻撃に専念させることが大前提となっている非常に攻撃的な考え方といえる。

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