検証。Jリーグ20年を経て生まれた3つのトレンドとは? (4ページ目)

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 私は、もっとお金をかけて、日本代表クラスの選手が集まる強豪クラブを作っていく必要性があるのではないかと思っている。ACL、クラブW杯を考えた時には、そういうクラブがないと、世界との競争には勝てないだろう。

 投資した分を回収するためには、観客がたくさん入るクラブ、そういうキャパシティを持ったスタジアムが必要だが、浦和であれば可能かもしれない。スタジアムの規模と人口を考えると、横浜F・マリノスも可能性があるだろう。政令指定都市の横浜(人口約350万人)とさいたま(人口約120万人)であれば、人口、ビジネスエリアという点から考えても有望と言っていいはずだ。その意味では、大阪や名古屋にも可能性はある。セレッソとガンバ、とくにガンバが新スタジアムをどうするかまだ確定はしてないが、ビッグクラブとしてのお金の使い方を模索するのかどうか、注目したい。

3■日本人FWが得点ランク上位独占

 そもそも、1993年になぜJリーグというプロリーグを創設したのか。それは、日本サッカーのレベルを上げて、日本でワールドカップを開催するためという大きな目標があったからだ。そのために、海外のトップ選手を獲得し、海外の指導者を招聘した。そして今、海外でプレーできる日本人選手が数多く存在するまでになった。

 もっとも重要なことは、選手を育てて日本サッカーのレベルを上げていくことだ。その点で考えると、日本人FWが2013年の得点ランキングの上位を独占したことはひとつの成果だろう。大迫勇也、柿谷曜一朗ら成長した若手や、大久保嘉人、佐藤寿人らベテランも含め、上位8人に日本人選手が並んだというのは、前例がないことだった。

2013年 J1得点ランキングトップ10

1 大久保嘉人(26点)
2 川又堅碁(23点)
3 柿谷曜一朗(21点)
4 豊田陽平(20点)
5 大迫勇也(19点)
5 工藤壮人(19点)
7 渡邉千真(17点)
7 佐藤寿人(17点)
9 マルキーニョス(16点)
10 ウィルソン(13点)
10 興梠慎三(13点)

 たしかに、浦和などで活躍したエメルソンのような強力な外国人選手がJリーグに少なくなったことも影響しているかもしれない。エメルソンは「うまい」という次元ではなくて「すごい」FWだった。「速い」とか「強い」とか「高い」ではなくて、とにかく「すごい」。

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