J1優勝は最終節決着。上位3クラブが王座につくための条件は? (2ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki photo by Getty Images

 第33節を前に優勝の可能性を残していたのは、横浜FM以外に4クラブあったが、浦和レッズはサガン鳥栖に1-4で、セレッソ大阪は鹿島アントラーズに1-2で、いずれも敗れて優勝戦線から完全に脱落した。

 その結果、4クラブで生き残ったのは2クラブのみ。湘南ベルマーレを1-0で下したサンフレッチェ広島と、C大阪に競り勝った鹿島が優勝に望みをつないだ。勝ち点62で首位の横浜FMを、勝ち点60の広島が2位で追いかけ、勝ち点59の鹿島が3位で続いている。

 ただし、勝ち点3差で首位を追う鹿島についてはJ1最終節となる第34節の結果次第で、勝ち点でこそ横浜FMに並ぶことが可能だが、現段階で得失点差に9もの開きがあり(横浜FM+19、鹿島+10)、1試合でこの差をひっくり返すことは不可能に近い。すなわち、現実的な優勝争いは横浜FMと広島の2クラブに絞られたと考えていいだろう。

 では、ここで両クラブの優勝の条件をおさらいしておきたい。

"マジック1"の横浜FMが勝てば、広島の結果に関わらず優勝が決まるという状況は、次の最終節でも変わらない。と同時に、横浜FMの結果に関係なく広島が勝てなければ、こちらもまた横浜FMの優勝が決定する。

 つまり広島の逆転優勝のためには、まずは勝利すること。そのうえで横浜FMが負けか引き分けに終わることがJ1連覇の条件となる(横浜FMが引き分けた場合はともに勝ち点63で並ぶが、広島は現段階ですでに得失点差で上回っているため、横浜FMを逆転することになる)。

 注目される横浜FMの最終節の相手は、川崎フロンターレ。浦和と並ぶJ1最多の64得点を挙げている攻撃力を武器に、現在3連勝中と波に乗る難敵だ。しかも、現在5位の川崎FはAFCチャンピオンズリーグ(ACL)の出場権獲得(3位以内)の可能性を残しているだけに、この一戦にかける意欲は相当高いことが予想される。

 一方、広島の最終節は眼下の敵、鹿島との直接対決。鹿島がたやすく広島を"アシスト"してくれるとは思えず、こちらもまた激しい試合となることは必至である。

 加えて、横浜FM、広島ともアウェーに乗り込んでの一戦。優勝への道のりはどちらにとっても険しいものとなりそうだ。

 今週末の12月7日、ついに今季のJ1は最終節を迎える。泣いても笑っても各クラブに残されたのは、あと1試合のみである。

 最終節を前に自力優勝のチャンスがあるのは横浜FMだけであり、依然、横浜FMが有利な立場にいるのは間違いない。樋口監督も「我々にしか残っていない(自力優勝の)権利を逃すようなバカなことはできない」と、最終節での覇権奪回を誓う。

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