レッズ、ガンバサポからジュビロサポに送る「J2の心得」 (4ページ目)

  • 中島大輔●文 text by Nakajima Daisuke
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 注目度が下がり、ファンが離れ、スポンサーを獲得できなくなる。クラブの収益が下がれば、いい選手は確保できない。せっかく育てた若手も、明るい未来がなければ、チームを離れていく――。それがJ2に潜む“負のスパイラル”だ。

 はたしてジュビロは、1年でJ1復帰を果たすことができるのだろうか。それとも、長くJ2で苦しむことになってしまうのか。サポーターの話を聞く限り、その境目の第一歩は、主力選手が残留するかにかかっている。ジュビロの高比良慶朗社長は「ほとんどのメンバーが残ってくれると思う」と希望的に述べているが、ジュビロサポーターは気が気ではないはずだ。彼らにとって、J2における“過酷な戦い”は、すでに始まっている。

 名門ジュビロにとっては、J2の1年目こそ勝負の年になるだろう。1年でJ1に復帰して、将来「J2での1年があったからこそ……」と思い出せる日が来ることを願いたい。その思いは、ライバルであるレッズやガンバのサポーターたちも一緒のようだ。

「とにかく、フロント、選手、サポーター、みんなが同じイメージを持って戦うことが大事。ジュビロにもそれを実現してほしいし、一年でJ1に帰ってきてほしい。ジュビロは本当にいいチームだし、一緒に上で戦いたい」(前述のレッズサポーター・相川さん)

 ガンバサポーターの藤村さん(仮名/男性・43歳)はこう語る。
「ウチらも1年で(J1に)戻ってきたんやから、ジュビロにも1年で(J1に)戻ってきてもらわんと。ほんま、J2はしんどい戦いになると思うけど、それがジュビロの未来にとって、必ずプラスになると思う」

 さらに、ヴェルディサポーターの思いも同じだ。山田さん(仮名/男性・43歳)が言う。
「来季は同じ土俵で戦うライバルになるけど、ジュビロには“J2のドロ沼”に入らないようにがんばってほしい。何度も優勝して伝統のあるチームには、やっぱりJ1の舞台が似合う」

 今回取材したレッズサポ、ガンバサポ、そしてヴェルディサポのほとんどが、ジュビロのことを気にかけていた。そして、チームを支えるジュビロサポに熱きエールを送っていた。

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