2013.11.15

日本代表が進むべき道はポゼッションか?カウンターか?

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 徹底的にボール保持にこだわれば、つまり、ボールを自分たちで持っていれば、その間は点を取られないというのが、ポゼッションサッカーの狙いのひとつだ。ただし、ポゼッションがメリットになるためには、バルセロナやスペイン代表のように70%前後、あるいはそれ以上までボール保持率を高めなくてはいけない。

 高さで劣る分、引いて守りきることが難しい日本は、ポゼッションの時間を長くして守備の時間を短くする。相手にボールを奪われても、ラインを高くして前線からすぐにプレッシャーをかけてゴール前にクロスを入れさせない。それが、自陣ゴール前での守備の時間を減らすことにつながる。

 そのためにも、技術と判断と動きの質を高め、モビリティ、つまり機動性を高める。また、選手の距離感をうまく保ち続け、その連動のための運動量をキープしてボールを保持し続ける。そうすることで、日本の弱点である、高さと強さで勝負する局面を減らす。

 もちろん、ポゼッションできていても、相手にゴール前を固められて点が取れず、こちらのミスからカウンターをくらって負けることもある。つまり、ポゼッションとは、言い方を変えると「相手に持たされている」ということにもなりかねない。たとえば、ボール保持率が45%前後のドルトムントは、わざと相手にボールを持たせているとも言える。持たせておいて、自分たちが狙ったエリアでボールを奪って、すばやくカウンターを仕掛ける。

 では、ドルトムントのようにハイプレスでボールを奪い、ショートカウンターを狙うスタイルが日本人に合っているのかと考えると、これもまだ難しいと私は思っている。ドルトムントのサッカーを実践するためには、かなりのフィジカルの強さ、スタミナとスピードが要求される。「日本人がドイツ代表クラスの選手と90分間フィジカルだけで勝負できるのか?」と考えたとき、勝利する確率は低いだろう。

 もちろん、個の力やフィジカルをレベルアップすることは重要だが、それが強豪との戦いを有利にするための「違い」を生み出すことにはなりにくい。できる限り自分たちがボールを支配する時間を多くして、相手を走らせて消耗させる。そのための技術力、組織力を高めていくことを考えていくべきだ。

 今の日本にメッシやロナウドはいない。たしかに、香川真司、長友佑都、本田圭佑ら、今の代表選手たちは、私が代表に選ばれていたころより、世界レベルではるかに素晴らしい活躍をしている。それでも、彼らの個の力は、たとえば、ブラジル代表のスタメンに入れるほどのレベルにはまだ達していない。そう考えると、今の時点で強豪と競争するために高めていくべきは、チームとしての組織力ではないだろうか。