U-17W杯開幕。ベスト8の壁を越えられるか? (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki photo by AFLO

 2年前のチームというのは、ごく簡単に説明すると、各選手がバランスよくポジションを取ってピッチを広く使えば、『自動的に』相手のマークが外れるという発想で戦っていた。

 だが、これでは相手が日本を分析し、例えばマンツーマンで守られたら通用しない。特にこの年代の日本人選手は体格で劣るため、1対1の勝負に持ち込まれると厳しい。だからこそ吉武監督は、「相手を見る」という意識を選手たちに植え付けてきた。

 相手のDFラインが下がっているのか、上がっているのか。どこにスペースがあるのか。誰がマークされていて、誰がされていないのか......。そうしたことを見極めたうえでプレイしなさい、ということだ。準々決勝の壁を越えるため、吉武監督は2年前よりもひとつ高い要求を選手たちに課している。

 そんな要求に応えるべく、ピッチで奮闘する選手たちも粒ぞろい。なかでも筆頭格は、杉本太郎(帝京大可児)だろう。

 チームは17歳以下の日本代表とあって高校2年生が主体だが、杉本は数少ない早生まれの高校3年生。アジア予選に当たるアジアU-16選手権ではMVPを獲得しており、年齢的にも能力的にもチームを引っ張る存在だ。162センチと小柄ながらスピードとテクニックに優れたFWで、すでに高校卒業後のJ1鹿島入りが内定している。

 また、いわゆる『東京五輪世代』の選手が含まれていることも、今回のU-17日本代表を見るうえで忘れてはいけないポイントだ。

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