2013.10.10

W杯本大会へ向けて、ザックジャパンは方針転換するべきか?

  • photo by AFLO

 これは失点を減らすために守り倒せということではない。たしかに、サッカーには人数をかけてゴール前を固めるやり方もある。でも、それでは勝てないとザッケローニ監督は考えて、今のメンバーとスタイルを採用しているのだと思う。

 日本サッカー協会が、W杯南アフリカ大会後、ザッケローニ監督に日本代表の指揮を託したということは、つまり、守備的なスタイルではなく、自分たちが主導権を握るサッカーで世界と戦っていきたいということだと思う。

 もともと、そうした方針でザックジャパンがスタートしているのだから、もっと守備に比重を置いたスタイルにすべきというなら、監督を代えなくてはいけない。ザッケローニ監督は攻撃的に主導権を握るサッカーを求められたのであり、守り倒すチームをつくるために就任したわけではない。

 だからこそ、今のザッケローニ監督が志向するスタイルを推し進めて、信じて続けるべきだと私は思う。最終ラインからワントップまでがピッチの4分の1に入るぐらい陣形をコンパクトにして守備をして、攻撃には人数をかける。

 守備に関していうと、最終ラインを高くすることがザックジャパンの生命線で、当然リスクもある。それでも、勝つ確率をあげるためにDFラインを上げる。チームとしての連動性を高めて、決め事をしっかり作って規律をしっかり守らないと、穴はできる。そうであっても、ラインを高くして、コンパクトにして、攻撃的な守備をすることで勝利をめざしてほしい。

「攻撃的な守備」というのは、ボールを奪っていい攻撃につなげるための守備。それがザッケローニ監督のコンセプトで、私はその方針を変えるべきではないと思っている。

 もちろん、完璧な守備なんてない。ラインがそろわなくてやられる時もある。トレーニングを重ねて守備の組織力の精度を高めていくしかない。W杯本大会では、対戦相手のレベルが数段上がるのだから、最終ラインに少しでもギャップができた瞬間にやられる。それは8月のウルグアイ戦でよく分かったと思う。

 ウルグアイにあれだけカウンターを食らったのは、相手が守備を固めているところに日本がどんどん向かっていって、悪い形でボールを奪われたのが原因。日本が攻撃に出てくる力を向こうが利用して、こちらのギャップをうまく突いてきた。その駆け引きをするためにも、選手同士がコミュニケーションをより密にしないといけない。だからこそ、最終ラインはある程度メンバーを固定して連係と精度を高めていくべきだろう。

 強豪との試合で、攻撃でも守備でも選手たちが「このままでは難しい」と思うところがあったはずだ。「もっといろんな手を尽くさないと難しいんじゃないのか?」ということが分かっただけでも、コンフェデやウルグアイ戦の敗戦というのは十分意味があったと思う。