対戦相手がこぞって感服。今季の中村俊輔は「ここが違う」 (2ページ目)

  • text by Sportiva cooperation by Mochizuki Fumio,B Creative B,Fujiwara Yu,Maeda Toshikatsu
  • photo by Yamazoe Toshio

「ずっとすごい選手だったし、(今季になって)特別に何かが変わった印象はない」(ジュビロ磐田・MF山田大記)

「もともと素晴らしい選手。(F・マリノスと)対戦するときは、まず抑えなければいけない選手であることは、誰もがわかっていること。相手チームにとっては、常に怖い選手です」(セレッソ大阪・MF山口螢)

 そうした言葉に同意して、鹿島アントラーズのMF小笠原満男はこう付け加えた。

「本人は『変わった』なんて、言ってほしくないんじゃないかな。(中村のことを)周りがどうこう評価するのもおかしな話で、もともと能力のある選手なわけだし、(中村自身は)毎年同じつもりでプレイしていると思うよ」

 それでも、さらに突っ込んで話を聞いてみると、今季になって中村の凄みが増したと、肌で感じている選手は少なくなかった。アントラーズのDF青木剛が語る。

「ウチも今季は俊輔さんにやられているイメージが強いし、客観的に見て(今季は)調子がいいと思う。他のチームの選手たちからも『今年の俊輔さんは怖い』という声をよく聞きます」

 やはり、今季の中村は昨季までとは違う。少なからず"変化"し、35歳という年齢を迎えながらも、今なおスケールアップしているのだ。そんな中村の"変化"について、最も多かった意見は、解説者の鈴木氏同様、コンディションの良さだった。

「すごくコンディションがいいみたいで、昨年よりも運動量が上がっているように感じました。要所、要所で長い距離を走ったりしていて、改めてすごい選手だな、と思いましたね」(セレッソ・DF藤本康太)

「3年ぶりぐらいで対戦しましたけど、(今季は)すごく動けている。夏の試合でも最後まで(運動量が)衰えることがなかった。そのうえで、しなやかさもあって、自分の近くをすり抜けていく感じでした」(エスパルス・MF本田拓也)

 コンディションがいいから、よく動ける中村。それが今季は、チームの攻撃と守備両面で存分に生かされている。ゆえに、対戦相手の多くが中村のプレイに翻弄されてきた。

「中村選手はポジションがあってないようなものだから、いろんなところに顔を出してくる。そこから、パスだったり、ドリブルだったり、シュートだったり、すべて高い次元で仕掛けてくるので、相手にとってはたまらない」(セレッソ・山口)

「とにかく(中村は)ボールを失わずにキープできる。そこでタメができるから、周りの選手が上がる時間ができて、攻撃に厚みがある。そのうえで、前線に出すパスの精度が半端ないレベルの高さ。そこが(F・マリノスの)武器になっている」(ジュビロ・DF藤田義明)

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