対戦相手がこぞって感服。今季の中村俊輔は「ここが違う」

  • text by Sportiva cooperation by Mochizuki Fumio,B Creative B,Fujiwara Yu,Maeda Toshikatsu
  • photo by Yamazoe Toshio

 Jリーグ第28節を終え、首位サンフレッチェ広島と勝ち点53で並んで2位と、タイトル奪取に向けて好位置をキープしている横浜F・マリノス。その原動力となっているのは、間違いなく中村俊輔だ。第26節(9月21日)では、F・マリノスに敗れた清水エスパルスのゴトビ監督が、試合後の会見で「なぜ、中村俊輔は日本代表に呼ばれないのか?」と語ったほど、圧倒的な存在感を放っている。

好調・横浜F・マリノスを攻守で支えている中村俊輔。好調・横浜F・マリノスを攻守で支えている中村俊輔。
 攻撃では、相手の急所をついた精度の高いパスで決定機を演出。直接FKを含めて自らチャンスをモノにすることも多く、今季はすでに自身のJ最多得点数(1998年)に並ぶ9ゴールを記録(10月7日現在)している。さらに守備でも精力的に動き回って奮闘。敵の攻撃の芽をことごとく摘んで、チームの勝利に貢献している。『キックオフF・マリノス』(テレビ神奈川/毎週金曜日22:00~22:30)のMCを務め、解説者として活躍しているF・マリノスのOB・鈴木正治氏も、そんな中村の活躍ぶりに目を見張る。

「誰が見てもわかるように、今季の俊輔はとにかくコンディションがいい。体のケアをしっかりしていて、ずっと悩まされてきた股関節痛などの不安もない様子。だから、本当によく体が動いていて、守備では誰よりも走っている。球際も強くて、ピッチに倒れることがほとんどない。逆に相手を倒して、振り切ってしまう強さがある。また、第21節(8月17日)のFC東京戦では、試合終了間際に相手ゴール前で3回ほど切り返して敵DF陣を翻弄。最後は強烈なシュートを左サイドネットに突き刺した。それだけのスタミナが最後まで残っているのには驚かされた。しかも夏場のことだからね。筋力、体力ともに充実している証拠。それらすべては、コンディションの良さからきていると思う」

 鈴木氏が称えるとおり、外から見ていると、今季の中村の動きは際立っている。キレが良く、昨季までとは明らかに違って見える。

 では、実際に対戦した選手たちはどう感じているのだろうか。各チームの選手に尋ねてみると、その第一声は誰もが同じ回答だった。

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