漫画家とノンフィクション作家が語る「サッカー選手の描き方」 (4ページ目)

――中村さんは光と影なら光のほうを描きたいとおっしゃっていますね。

中村 光のほうが好きなのは確かです。暗部を描いて人を嫌な気持ちにさせるのもすごいことですが、僕はそれは好きじゃない。人の気持ちは明るいほうに向いていてほしいし、そういう希望を持たせるような作品を描いていきたいと思います。ただ、光を描くにはそれなりに影もないといけない。正直、今の僕の作品には光が照りすぎるとも思っています。

小宮 登場人物がみな笑顔じゃないですか。羨ましいですよ。僕が書いたものは、僕の性格のせいなのか、笑いがないんです(笑)。

中村 でも小宮さんの作品は暗くないですよ。『アンチ・ドロップアウト』は、きれいごととは違う、リアルな希望を照らしていると思います。

小宮 僕は最初『1/11』を読み始めた時、ソラ君みたいな子はいるはずないだろうと思ったんです。ところが読み進むと、ストーリーがつながってリアルになっていく。漫画ってすごいなと思いました。

中村 そう言っていただけるような漫画を、これからも描いていきたいと思います。

――今日はどうもありがとうございました。

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