「スロベニアン2トップ」不在で首位陥落。大宮は勢いを取り戻せるか? (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki

 それでも試合全体の流れを作るという点で言えば、やはりスロベニアン2トップに比べると、どうしても見劣りしてしまう。

 前線でのボールの収まりが悪く、カウンターのチャンスになりかかったところでボールを失うこともしばしば。その度に中盤の選手は守備から攻撃へ、攻撃から守備へと瞬時に切り替えを繰り返さなければならない。行ったり来たりが多くなるほど、落ち着いて試合を進められなくなるし、スタミナも消耗してしまう。精神的にも体力的にも、ジワジワと疲弊していったとしても不思議はない。

 負傷のズラタン、ノヴァコヴィッチを揃って欠いた2試合で連敗した事実が証明するように、ふたりの不在が響いていることは明らかだ。

 幸いにも東アジアカップ開催にともない、J1は次節(7月31日)まで2週間の中断期間を挟む。ベルデニック監督は「次に向かっていい準備をすることが大事」だと言い、こう続ける。

「大切なのは、自分たちの好調時のプレイ、攻守の安定性を取り戻すこと。連戦で十分なトレーニングができなかったので、この間(中断期間)に取り戻したい」

 痛い連敗ではあったが、悲観するほどの試合内容ではない。負傷離脱中の2トップに関しても、ノヴァコヴィッチの復帰はもう少し時間がかかりそうだが、幸いにしてズラタンは次節には戻ってくる可能性がある。この中断期間をうまく生かせば、再び好調時の勢いを取り戻す可能性は十分にあるはずだ。

 中断明けの第17節は、勝ち点で並ぶ首位・広島とアウェーで直接対決。決戦を控えた大宮にとっては、今季の行方を左右しかねない大事な2週間になる。

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