2013.07.05

W杯まで1年。福田正博からザックジャパンへ「3つの提言」

  • photo by Fujita Masato

 攻守両面で味方へのサポートを早くして、周囲がパスコースをつくる。なおかつボールを持っている選手も動いてパスコースをつくれる技術がなくてはいけない。そういう部分での個々のレベルアップも必須だろう。

 日本は、特にドルトムントのサッカーを参考にすべきだと私は考えている。前線の高い位置からの激しいプレスと攻守の切り替えの早さを武器に、全員が常にタテへの意識を持って、ダイレクトプレイでゴールに直線的に向かう。このドルトムントのスタイルを、日本は見習うべきだ。

 ドルトムントはCLベスト4のクラブ(バルセロナ、レアル・マドリード、バイエルン、ドルトムント)のうち、実力的に一番下だと思われていたクラブで、それはコンフェデのグループリーグでの日本の立ち位置と似ている。そして、ドルトムントは圧倒的な運動量を武器に決勝に進出した(結果は準優勝)。ワールドカップでは実力的に格上のチームと戦うことが多いことを考えれば、日本代表もドルトムントのように運動量で勝負すべきだろう。

 守備については、ボールホルダーに対して人数をかけて連動してプレスをかけ続ける。それができないと、相手に時間とスペースを与えることになる。実際、コンフェデの開幕戦ではプレスが甘かったのでブラジルに時間とスペースを与えてしまい、ネイマールやパウリーニョにやられてしまった。

 一方、イタリア戦では、日本は敗れたとはいえ善戦した。それはなぜか。相手のコンディションが悪かったこともあるが、日本が運動量で上回ったからだ。つまり、運動量で勝ることができれば、日本はボールをポゼッションして、主導権を握るサッカーがある程度できるということだ。ただし、イタリアのコンディションが悪かったから接戦にもちこめたともいえるので、相手の状態がいいときでも、同じような戦いができなくてはいけないだろう。

 また、運動量といっても、何でもかんでも動けということではない。オシムさんが代表監督時代に「考えて走れ」と言っていたように、適切なタイミングで、正しい場所に走らなくてはいけない。それには、戦術理解度の高さ、周囲との連動が欠かせない。また、豊富な運動量のためにはコンディショニングも不可欠だ。

 さらに、マイボールを簡単に失わないことも重要になる。ブラジル戦とメキシコ戦では、前線でボールを保持してもすぐに奪われてしまい、そこからカウンターをくらって苦しい局面になることが多かった。これを解決するためには、個人の技術のレベルアップとともに、周囲のサポートのスピードアップもしていくべきだろう。

■4-2-3-1により磨きをかける

 ほかにも、試合運びを有利にするための駆け引きや、ゲームの流れを読む力が必要なことを今回のコンフェデで選手は痛感したはずだ。

「流れを読む」、「駆け引きをする」ということは、相手チームのレベル、自分が対面する選手の力、スタジアムやピッチの状態、試合の時間帯、監督の戦術、味方の状況など、ありとあらゆる情報を一瞬で整理して正しい判断をするということ。フィールドの選手全員にそれが求められる。つまり、サッカーというスポーツを理解する賢さがなくてはいけない。