なぜザッケローニ監督は「3-4-3」を封印しているのか?

  • photo by D.Nakashima/AFLO

 代表チームにとってプラスに作用しないこと、チームを強くするという目的に合致しないことをやるより、結果を残せている今のスタイルを成熟させていく段階だと、ザッケローニ監督は考えているのではないだろうか。ほかに、今の日本代表には酒井高徳、酒井宏樹、駒野友一ら、サイドバックの人材が豊富だ。その点を考えても、日本代表は今、4バックにしたほうがいいという判断もあると思う。

 また、ザッケローニ監督就任後にアジアカップで優勝するなど、日本代表が結果を残し続けてきたことも、「4-2-3-1」を継続している理由のひとつだろう。

 チームがうまくいっているときに布陣を変えることは、選手の抵抗感が強いものだ。オジェック監督が、2007年、浦和を指揮していたときに3バックから4バックへの切り替えを断念したのは、前年リーグ優勝という結果が出ていたことで、当時の選手が「3-5-2」からシステムを変えることに抵抗感があったのだと思う。

 反対に、ペトロヴィッチ監督はなぜ去年(2012年)4バックから3バックにできたかといったら、前のシーズンに降格争いしたチームを引き継いだから、いろんなことをチャレンジしやすかったということがあるだろう。

 いずれにしても、タイミングの問題のほかに、選手の入れ替え、補強も含めて、フォーメーションや戦術を変えることはある程度時間がかかる。

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