2013.05.03

Jリーグ序盤戦総括。そして今後が楽しみなチームは?

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■ペトロビッチ体制2年目の浦和の変化

 浦和に関しては、序盤のハードスケジュールの中でうまく選手を回しながらやっていたと思う。シーズンの最初に的確な補強ができた。去年のウィークポイントだった、ワントップと3バックに、それぞれ興梠慎三と森脇良太を獲得したことで、チームがステップアップしたのは事実。

 興梠は攻撃に必要な深さを作ったり、ラインの裏に飛び出て前線で起点になり、中盤にスペースをつくり出せる。動き出すタイミング、スペースを見つける目も非常にレベルが高い。あとはゴールを量産できるようになれば完璧だろう。

 また、興梠が入ったことによって原口元気が2列目でプレイできるようなったことも大きい。原口はシュートの意識が高いし、パス交換が多いチームにあって、彼のドリブルは非常にアクセントになる。膠着した状態でひとつ大きなポイントになるのが、彼のドリブルだ。それに、興梠と原口の関係性も非常にいい。距離感もいいし、いいコンビネーションを形成していると思う。

 去年と今年の浦和の一番の違いは守備面にある。昨シーズンはどちらかというと引いて守るシーンが多かったのに対し、今年は高いライン設定で、相手のコートだけでゲームを進めていく試合展開を狙っている。前線が切り替えを早くしてプレッシャーをかけて、ボールの出どころに激しくチェックに行き、ボールを奪って攻撃していくサッカーができている。

 どんどん仕掛けて行く勇気を持って戦ってきたからこそ、今シーズンここまできていると思う。優勝争いを続けるためには、負けることが怖くなって腰が引けそうになっても、リスクを冒して前に出る試合運びが続けられるかどうかだろう。

■それぞれのスタイル、色が出ている注目チームは?

 2年前のリーグ王者の柏がACLで唯一勝ち残った。Jリーグで戦う場合とACLで戦う場合と、対戦相手はだいぶスタイルが違う。アジアではパワープレイで来るチームが多いし、球際の対応の仕方がまるで変わる。移動やハードスケジュール以外にも、戦い方のスタイルの部分でもリーグとACLを同時に戦う難しさがある。その点、ネルシーニョ監督は割り切って戦っている。ACLでは、相手の10番にマンツーマンで谷口博之をつけるなど、勝つために戦術を変えて対応していると思う。

 Jリーグのブラジル人監督が、日本人のメンタリティーに影響を与えているのは、実はそこのリアリスティックな部分だと私は思っている。美しいテクニックや華麗なドリブルやパスが強調されがちだが、ブラジル人は徹底的に勝ちにこだわる姿勢が何よりも強い。