今季の浦和は、本当にターンオーバー制が可能か?

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福田正博 フォーメーション進化論 vol.41
 Jリーグのクラブは、ここ数年アジアチャンピオンズリーグ(ACL)で圧倒的な力を示せていない。2007年に浦和、2008年にガンバ大阪が優勝して以降、近年は相当なパワーをかけて戦わないと、グループリーグを突破できないこともあり、ベスト8以上に行けなくなっている。

 こうしたことが続くと、Jリーグがアジアの中で下に見られてしまいかねない。それは、日本サッカーにとって決していいことではない。ACLで勝ち続け、クラブワールドカップにも出続けるために、Jリーグ全体のレベルをどう上げていくか。(日本開催でないクラブW杯は、ACLで優勝すれば出場権を得られる)

ACL予選リーグ突破へ次の試合で勝利が絶対条件となっている浦和ACL予選リーグ突破へ次の試合で勝利が絶対条件となっている浦和
 まず、よく言われることはターンオーバー制を敷くことと、そのための戦力をそろえることである。「ハードスケジュールだから選手数を増やさなくてはいけない」ということでターンオーバー制を敷くべきとなるのだが、ただ選手数を増やせばいいというものではなく、より質の高い選手を増やす必要がある。

 先発を入れ替えても戦力があまり落ちない、あるいはほぼ変わらないというメンバーを組むために、どれだけの戦力をそろえたらターンオーバーができるのかを考えて補強を進めていくべきだろう。

 マンチェスター・ユナイテッドであれば、ウェルベックとアシュリー・ヤング、ナニとバレンシアなどは、どちらが出ても戦力に大きな差はない。リーグ戦でベンチにいるメンバーがチャンピオンズリーグで先発として出場しても、戦力がそれほど変わらないという印象だ。そういう高い能力の選手が複数いて初めて、ターンオーバーという考えが成立する。

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