チームを勝利に導くためになすべき「監督の五カ条」 (3ページ目)

  • photo by Nakashima Daisuke/AFLO

3:選手に自信を持たせる

 また、サッカーの監督がやるべき仕事で最も重要なのは、選手に自信を持たせることだ。自信がないまま試合のピッチに立たせたら、選手が戦う勇気を持つことは難しい。その勇気や自信を持たせるために戦術があったり、フォーメーションがあったり、日々のトレーニングがあったり、スカウティングのデータがある。

 たとえば、ブラジルのような強豪と対戦する時にブラジルの良いところばかり見せたら、これは選手の腰が引けて、気後れしてしまいかねない。相手をリスペクトしすぎることになって戦う前から士気が下がる。

 だから、「彼らでも実はこういうミスをするシーンがある」と話し、「隙を逃さなければチャンスはある」というイメージを選手が持てるように、相手の失点シーンの映像をミーティングで見せる。そうやって少しでも選手に自信を持たせて試合に臨む。

 反対に、格下と対戦するときは油断が生じないように、相手の長所を映像やデータで見せておく。そして、「我々はこういう風に戦ったら彼らに勝てる」と伝えて選手をピッチに送り出す。

 また、選手に不得手なことをやらせるとミスばかりして自信を失う危険性がある。適してないポジションやフォーメーションでやっても、選手は自信を失っていくだけだ。すると選手はボールをもらいたがらなくなるし、今までできていたことまでできなくなる可能性がある。

 持っている本来の力を出せなくなって萎縮してしまい、どんどんマイナスの方向にいってしまうと、その結果、ミスが怖くなって、中盤は縦パスを入れずに安全な横パスやバックパスが多くなり、FWは前を向いて勝負しなくなる。それならミスはないからだ。そうなってくると、悪循環でしかない。

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