【Jリーグ】名波浩の視点/チームを変貌させる「新戦力」ベスト5 (4ページ目)

  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

 シーズン前のテストマッチでは、李のポジションは4-2-3-1布陣の「3」の右サイドに入っていたという。1トップのルーカスがポイントになって、李がその裏を狙うような形になるのだろう。役割としては、日本代表の岡崎慎司のようなイメージで、人を使うのがうまいルーカスと、李のゴールに向かっていく姿勢が見事にはまれば、得点力アップは必至。チームの順位(昨季10位)も大幅に上がるかもしれない。

 また、李が敵DF陣を引きつけることができれば、2列目の石川直宏や東慶悟らにも決定機が巡ってくる。特にサイドから仕掛けていく石川が、李やルーカスに引っ張られた敵の間を抜けていって、そのままシュートというシーンは容易に想像できる。2009年シーズン、石川は15得点を記録したが、今季、同じようなことが起こっても不思議はない。

第5位

FWダヴィ
(ヴァンフォーレ甲府→鹿島アントラーズ)

 昨季はJ2で得点王を獲得し、かつてはコンサドーレ札幌や名古屋グランパスでも活躍したダヴィ。Jリーグのことは知り尽くしていて、以前鹿島で活躍したFWマルキーニョス(現横浜F・マリノス)に似たタイプ。得点感覚に優れ、ひとりでフィニッシュまで持ち込める、まさしく鹿島に合う選手だと思う。

 ゴールに向かって直線的に動ける選手で、鹿島得意のショートカウンターでは彼の持ち味が存分に生かされるはず。また、ダヴィの感覚的なプレイは、コンビを組む大迫とは異なっていて、そのギャップが敵を混乱させそう。ふたりだけでもさまざまな形を生み出すができ、それぞれがふた桁得点を記録するような期待感さえある。

 ここ数年は、新戦力の外国人FWに裏切られ続けた感がある鹿島。やっと期待どおりの結果を残してくれそうな選手と出会えたと言えるかもしれない。

 さて、上記5選手の他にも、FC東京のMF東慶悟(←大宮アルディージャ)をはじめ、浦和のFW興梠慎三(←鹿島アントラーズ)、ジュビロ磐田のDF伊野波雅彦(←ヴィッセル神戸)など、期待の新戦力はまだまだたくさんいる。彼らが新天地でどんな活躍を見せてくれるのか、とても楽しみだ。

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