【Jリーグ】シミュレーション「もしもラウルがFC東京に入団したら......」 (3ページ目)

  • 中山 淳●文 text by Nakayama Atsushi
  • photo by Bongarts/Getty Images

 そんなラウルがFC東京、引いては日本サッカー界にもたらす効果は計り知れない。日本にいながらして世界最高のお手本が身近に存在すれば、FC東京というクラブ全体の空気も一変するだろう。勝者のメンタリティーも、確実に浸透する。

 もちろん、ピッチ上でもその効果はすぐに現れるはずだ。とりわけ、ラウルはボックス内の狭いスペースでゴールを決めることが多いので、石川直宏のクロスは相性が良さそうだ。相手の裏を突いてパスをもらう動きも得意とするため、今季大宮アルディージャから獲得した東慶悟のスルーパスもより生きてくるだろう。しかも、サイドハーフやトップ下でもプレイできるので、ルーカスとも共存できる。ダイレクトパスを駆使した超攻撃サッカーを標ぼうするポポヴィッチ監督としたら、喉から手が出るほど欲しい戦力に違いない。

 そのうえ、ラウルはこれまでほとんどスランプなくゴールを量産し続けており、カタールでもすでに13試合で6ゴールを記録。Jリーグでも20ゴール前後は保障されたようなもので、昨季のFC東京の得点数にそれをプラスすればリーグトップタイとなる。FC東京初のリーグ優勝も夢ではない。

 とにかく、想像しただけでもワクワクする話である。

 FC東京幹部の口から、本人が日本でプレイする意向があるというコメントも出ているようだが、はたしてこの移籍は実現するのか。カタールの移籍市場はヨーロッパのそれと異なるので、1月末というリミットはない。Jリーグの移籍期限となる3月末まで、じっくり腰を据えて交渉を進めてもらいたいものである。

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