【高校選手権】難敵・作陽を下した桐光学園。悲願達成へつかんだ自信

  • 粂田孝明(ストライカーDX編集部)●文 text by Kumeta Takaaki(STRIKER DX)
  • photo by Matsuoka Kenzaburo

精度の高いキックでチャンスを演出した桐光学園の松井修平。精度の高いキックでチャンスを演出した桐光学園の松井修平。 第91回全国高校サッカー選手権準々決勝、注目の桐光学園と作陽の一戦は、桐光学園が後半のアディショナルタイムに勝ち越しゴールを決め、第75回大会以来、16大会ぶりにベスト4進出を果たした。

 桐光学園にとっては、苦しい試合だった。序盤は、作陽のショートパスと積極的に前に出てくる姿勢に翻弄された。DFリーダーの諸石健太(3年)が振り返る。
「相手(作陽)の7番(平岡翼/2年)が前に出てきて、その動きに惑わされた」

 それでも、個々の能力で勝る桐光学園は徐々にボールを支配。司令塔・松井修平(3年)の巧みな配球と、前線のハードワークによって攻撃のリズムをつかむと、前半34分に待望の先制ゴールを挙げた。松井のセットプレイから、最後はDF大田隼輔(3年)が押し込んだ。

 これで勢いに乗った桐光学園。後半は自慢の攻撃力が爆発するかと思われたが、試合巧者の作陽に再度かく乱された。MF横川矩久(のりひさ/3年)を中心とした中盤のギャップを突くパスワークと、右MF平岡の小刻みなタッチのドリブルに手を焼いた。そこで、桐光学園の佐熊裕和監督は、「(平岡と)1対1になると対応が難しいので、選手たちにはカバーリングを徹底させて、中へのドリブル突破を防ごうとした」と、平岡を封じる策を施したが、後半36分、結局その平岡に右サイドを突破されて、彼のクロスボールから同点ゴールを奪われてしまった。

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