2012.11.13

【Jリーグ】史上初のJからの降格。プロクラブとして存在価値問われる町田

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 日刊スポーツ/アフロ●写真

「監督が目指すサッカーに疑問を持っている選手はひとりもいません。選手としてそれを体現できなかったことが申し訳ない。その責任は選手たちにあると思います。監督の綺麗なサッカーは、クラブとしても選手としても継承していくべき」

 JFL時代からの古参選手のひとり、勝又慶典はその信念を語っている。一方、試合後に記者たちに囲まれた唐井直GMもアルディレス監督を擁護し、来季も続投させたい方針を明かした。

「今日のスタメンは、平本とイ・カンジンを除けば、昨年までJFLを戦ってきたメンバーです。限られた戦力で戦っているのが現実。その中で、きちっとボールを大切にするというスタイルは出せた。それを確立していくには、やはり時間がかかります。今はそれをぶれずにやり続けることが大事」

 はたして、掲げる理念と並行して結果も出すことができるか。プロクラブとしての存在価値が問われることになる。同日夜、JFLの長野パルセイロが敗れ、V・ファーレン長崎の優勝が決定し、町田のJリーグからの降格が確定した。来年2月には、町田市陸上競技場のメインスタンドは改修工事が終了。クラブとしては地道に成長を続けているが――。

「ゼルビア、来年は強くなるかな?」

 レインコートを濡らした少年が、傍(かたわ)らの父親に素朴な質問をぶつける。父は「そうだな」とため息をつき、答えられない。降りしきる雨の中、駅までのバスを待つ人々の長蛇の列ができていた。

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