【Jリーグ】史上初のJからの降格。プロクラブとして存在価値問われる町田 (2ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 日刊スポーツ/アフロ●写真

 では、なぜ町田は拮抗した残留戦にあえなく敗れ、降格することになったのか。

 最終節の湘南戦に関して言えば、「力負け」だった。

「相手が優っていました」

 オズワルド・アルディレス監督も白旗をあげている。シュート本数9対14という数字以上に、試合全体のマネジメントで町田は大きく劣った。開始2分、前半終了間際の44分というデリケートな時間帯に失点。J1に昇格するチームとの総合力の差は際立って出てしまった。

 しかし、町田はJ2においてパスの本数は1,2を争い、パスゲーム、ボールポゼッションにおいてひとつの特色を打ち出している。それはフットボールの原点であり、町田というサッカーどころの伝統でもある。ただ、アルディレス監督が「私たちはボールを大事に攻める戦いをしてきましたが、ポゼッション=試合に勝つ、ではありません。ポゼッションで相手を痛めつけることはできませんでした」と語ったように、肝心の「戦闘能力の低さ」は深刻だった。

「いい攻撃は、必ずいい守備の上に成り立つ」

 世界に冠たるスペインフットボールでは不文律があるが、アルディレス町田はシーズンを通してこれを守れていなかった。

 例えば湘南戦は格上が相手とは言え、致命的弱点をさらけ出している。

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