【U-19】3大会連続の屈辱。急速に進んでいる日本サッカーの地盤沈下 (2ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 赤木真二●撮影 photo by Akagi Shinji

 なぜ日本は、この世代でこれほどまでに勝てなくなってしまったのだろうか。

 もちろん、その原因を何かひとつに集約することなどできるはずもないが、真っ先に頭に浮かぶのは、Jリーグで試合に出ることが、必ずしも若い選手の成長につながっていないのではないか、ということだ。

 今回のU-19日本代表のメンバーを見ると、選手個々のJリーグでの公式戦出場経験は少なくない。過去のチームと比較しても見劣りはしないはずだ。

 にもかかわらず、それがチームとしての強さにつながっていない。すなわち、Jリーグの経験と国際試合の経験とが、別物になってしまっているのだ。キャプテンの遠藤航は準々決勝に敗れ、こんなことを話している。

「日本(Jリーグ)よりもアジアの相手のほうが、執着心が強い。ここは足が出てこないかなというところも、一歩が出てくる」

 他にも「球際の争いで負けていた」といった声は、多くの選手から聞かれた。つまりは、Jリーグでは本当の意味での強さや厳しさが求められていない。その結果、Jリーグで多くの経験を積んでいるはずの選手が、こうした国際舞台で面喰らうのだ。

 選手個々のポテンシャルという点で言えば、今回のチームが極端に低いとは思えない。だとすれば、やはりU-19代表(U-18代表時代も含め)として、もっと国際経験を積む機会を増やすべきではないだろうか。

 そのためには当然、各クラブの協力を得なければならないが、もっと国際経験というものの重要性は理解されていい。以前であれば、AFC U-19選手権に臨むメンバーで国際大会に出場するなど、本番に向けて事前に経験を積む機会があった。

 もちろん、この大会に選ばれたメンバー以外にも、優れた選手はいる。誰それを呼ぶべきだった、という意見もあるだろう。だが、誰かひとりを入れ替えたからといって、急にチームが変わるほど影響力のある選手がいるとも思えないし、今回のU-19代表が世代トップクラスからかけ離れた選手ばかりが集められたわけでもない。単に選手選考の問題にすり替えても、現実は見えてこない。

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