【Jリーグ】清水vs鹿島。
ナビスコカップ決勝は高校選手権の得点王に注目!

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 試合後、充実した表情で取材に応じた大前は、「1週間後も鹿島が同じ戦い方をしてくるとは限らないし、同じミスをするとも思えない。それに彼らは、クラブとしてナビスコカップ決勝の経験が豊富。僕らはあくまでも挑戦者として臨みたい」と気を引き締めた。

 一方、ひと月前から1トップを務めるようになり、ペナルティエリア内での仕事に磨きが掛かっている大迫は、この日も巧みにスルーパスを引き出し、2度の決定機を迎えた。ゴールは決められなかったものの、流れるようなスムーズな動きに好調さも見て取れた。試合後、大前とは対照的に、足早に取材エリアから立ち去る姿に悔しさが滲み出ていた。

 ナビスコカップ決勝の前哨戦は、清水が制した。この勝利でリーグ戦での清水は4位に浮上し、鹿島は13位に沈んだまま。J2降格圏もちらつきはじめ、両者のチーム状態は好対照に見える。

 ただし、清水のアフシン・ゴトビ監督は「次の試合(ナビスコカップ)は大会が異なるので、まったく別物だと考えている。来週、結果を出すために改善しなければならない点がある」と警戒すれば、鹿島のジョルジーニョ監督も「違う大会に挑むわけだから、イーブンな状態での試合になる。全力で準備を進め、勝ち取れるように選手とともに戦いたい」と意気込んだ。

 第20回大会のカップを掲げるのは、果たして清水か鹿島か。大前と大迫、ふたりのエースにゴールは生まれるのだろうか。11月3日13時5分、キックオフの笛が鳴る。

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