【Jリーグ】清水vs鹿島。ナビスコカップ決勝は高校選手権の得点王に注目! (2ページ目)

  • 飯尾篤史●取材・文 text by Iio Atsushi
  • photo by AFLO

 柏レイソルと顔を合わせた鹿島は、ホームで迎えた第1戦を3-2で辛くも勝利。そして第2戦を2-2で引き分け、決勝進出を決めた。ハットトリックを達成した大前に対し、大迫もこの2試合で3ゴールを奪ってみせた。予選リーグからゴールを積み重ねている彼は、ここまで7ゴールをマーク。得点王に最も近い存在だ。

 大前と大迫に共通するのは、高校選手権の元得点王という点だけではない。ふたりとも、今夏のロンドン五輪のメンバーから落選しているストライカーだ。

 五輪アジア予選で1トップを務めることの多かった大迫は、本大会での戦い方をチームが見直したこともあり、本人も周囲も驚く、『選考外』という屈辱を味わった。一方、清水でようやく昨季、レギュラーの座を掴んだ大前は、五輪アジア予選でプレイするチャンスすら与えてもらえなかった。彼らがどれほど悔しい思いを味わったかは、本人たちにしか分からない。だが、彼らが今、ロンドン五輪に出場した選手たち以上の輝きを放っているのは、紛れもない事実だ。

 ナビスコカップ決勝の1週間前、10月27日に行なわれたJ1リーグ第30節は、奇しくも清水と鹿島の対戦だった。

 7分にキム・ヒョンソンのゴールで清水が先制し、43分に岩政大樹の同点弾で鹿島が追いついたこの前哨戦で、その1分後、左サイドからのクロスに頭で合わせて決勝ゴールを奪ったのは、大前だった。

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