【U-20】SBSカップ優勝も、3大会ぶりのW杯へ「黄信号」

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 サッカーの試合では、力の接近した相手が割り切って守りを固めてしまえば、そうそう簡単に得点できるものではない。その意味では、韓国戦で相手を崩し切れなかったことは、ある程度仕方がないとも言える。しかし、静岡戦で見せた緩慢な守備などは、意識次第でいくらでも改善できるもの。そして、その甘さというのは、3大会連続で世界行きを逃すという最悪の事態にもつながりかねないものなのだ。吉田監督の語気が強まるのも無理はない。

 これまで、監督やコーチとして、多くの世界大会を経験してきた吉田監督が、「今回のチームにも、特徴がある選手、可能性がある選手はいる。それを生かしたい」と話すように、過去の代表と比較しても、決して力が劣るわけではない。だからこそ、余計に今大会の戦いぶりには物足りなさが残った。

 世界へ出ていく力はある。だが、それだけではアジアの厳しい戦いを勝ち抜けないことは、過去2度の失敗が証明している。

 熊谷が語る。
「静岡戦みたいな試合をしてしまうと、(U-20W杯には)行けないと思う」

 今大会を教訓にできなければ、決して世界への道は開かれない。そんな厳しい現状を突きつけられた、SBSカップ優勝だった。

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