2012.07.28

【Jリーグ】木村和司が申す「大混戦のJリーグに潜む問題点」

 そういう選手が多ければ、レギュラーの負傷や出場停止などの不測の事態に対処でき、常に安定した戦いができる。しかし近年は、F・マリノスに限らず、どこのクラブを見渡しても控えの選手層が薄く、もともと充実した戦力がそろっていた強豪クラブであっても、レギュラー選手が出場できなくなると、途端にチーム力が落ちてしまうことさえある。

 なぜ、そんな状態になっているのか。優秀な選手が海外クラブに進出していることが一因としてあるのだろうが、いわゆる各チームの準レギュラークラスの選手たちが、クラブの資金的な問題や、出場機会を求めて、どんどん移籍してしまっているからだと思う。

 F・マリノスで言えば、今季FC東京に移籍した、長谷川アーリアジャスールや渡邉千真なんかもそう。彼らは不動のレギュラーではないかもしれないが、試合に出れば、レギュラーと変わらぬ活躍ができるだけの実力がある。にもかかわらず、より確実に試合に出られるチームへ移っていった。そして、新天地で結果を出している。

 今は、そういう選手が本当に多くて、いろんなチームに分散していっている。ゆえに、各クラブの戦力差が縮まって、リーグ全体が拮抗した状態になっているのではないか、と思うわけだ。

 そうした状況において、上位争いを期待されたチームでも、厳しいスケジュールを強いられたり、負傷者が出たりすると、戦力が整っていない分、苦戦を強いられる。最近、アジアチャンピオンズリーグに出場するチームがどうしても出遅れてしまうのは、そうした背景もあるんじゃないか。

 そして、各クラブの実力が拮抗しているだけに、ひとつ歯車が狂ったりしたら、一気に下降線をたどってしまう。そのいい例が、現在17位に低迷しているガンバ大阪だろうな。

 監督交代でチームが混乱し、期待していた外国人選手もふるわず、完全にチームのリズムが崩壊した。特に、点の取られ方、取られる時間帯が悪く、余計にチームの流れを悪くしている。結果、いつまで経っても上昇のきっかけをつかめないままや。戦力が充実していれば、まだ救いはあったのかもしれないが、ガンバも今季、山口智(→ジェフ千葉)や橋本英郎(→ヴィッセル神戸)、下平匠(→大宮アルディージャ)ら計算できる選手を放出。その辺の影響も、少なからずあると思うな。

 巻き返しを図るには、まずは納得するサッカーを続けることや。現状では、たまたま拾った勝利がいいクスリになるとは思えない。自分たちのサッカーを実践して、そのうえで結果を出すことが大切だろうな。