【Jリーグ】ゴトビ監督(清水)「我々のサッカーを静岡の鏡に」 (4ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Shigeki Sugiyama
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

——オランダのフィリップ・コクーのような選手はチームにとってありがたい存在ですね。

「イ・ヨンピョ、パク・チソンなど、2002年の韓国にも存在しました。複数のポジションができるユーティリティな選手はチームには不可欠です。我々のような決して大きくないクラブチームの場合はなおさらです。ただ昨年に比べ、選手層はだいぶ厚くなってきました。プロの経験が足りない若手が多いですが、モチベーションを高く持つことができているし、どのポジションにも競争原理が働いています。誰と戦ってもやれるという自信もある。我々はもしかしたらJリーグで最も若いチームかもしれませんが、タイトルを取るつもりやっています」

——他にゴトビさんがいいなと思うチームは、日本にありますか?

「オンリー・エスパルス(笑)。どのチームもリスペクトはしています。Jリーグはアジアの中で最もよいリーグだと思います。お互い協力し合い、いいものになっていると思いますが、もっと世界的な地位を高めていって欲しい。質は高いし、興味を抱かせる試合にも多々遭遇します。若い選手にもいい素材が多いのですから」

——そのためにはあなたのサッカー哲学をもっと広める必要がありますね。

「それはあなたたちの手にも掛かっています。私をここに残してくれるか(笑)。今は本当にエスパルスでの仕事を楽しんでいます。日本が好きですし、日本の文化も好きです」

——でもあなたの名前は世界にも知られています。どこか海外のチームから誘われる可能性は十分にありますよね。

「私はとても忠実な人間です。私はここで何か特別なことをするためにやってきました。それを実現するまで日本を離れるつもりはありません。これは私の哲学です」

 清水エスパルスの順位は現在6位。ここから失速するのがエスパルスの例年のパターンだったが、ゴトビ監督を迎えて2年目の今季はどうか。メンバーには多くの若手がひしめいている。選手層はこれまでよりずいぶん厚くなった。斬新な攻撃サッカーに、選手のモチベーションはどこよりも高いと見た。今季のJリーグで最も目が離せないのはエスパルス。インタビューを通して、それはいっそう確信に近づいている。

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