【Jリーグ】ゴトビ監督(清水)「日本人は思っていたより熱かった」 (2ページ目)

  • 杉山茂樹●文 text by Shigeki Sugiyama
  • 藤田真郷●写真 photo by Fujita Masato

----日本のサッカーは世界のサッカーに比べると総じて守備的です。まずゴール前を固めようとする傾向があります。

「日本人にはテクニックがあります。サッカーもその点を活かした攻撃的なものであるべきです。考え方を変えたほうが伸びると私は思う。恐れることなく勇気を持って戦い抜くことを何より伝えていきたいと思っています。負けない姿勢で戦うのではなく、常に勝利を目指して戦う。ファンもそのほうが興味を持って見てくれるはずです。相手のチームのミスを待つサッカー、1点を奪ったら守り抜くサッカーではなく、最初からしっかり勝利を求めていく。先制点を奪ったら、そのままのペースで2点目、3点目を狙いにいく。そうした勇敢な姿勢を見せていけばファンはもっと増えると思います。

 日本に来て知ったのは、日本人の情熱的なところです。日本を外から見ていたときは、感情をあまり出さない人たちに見えました。しかし、実際に日本に来て働いてみると、決してそうではない。思っていた以上に熱かった。それを試合の中でしっかり表現できるようになれば、才能はもっと開花すると思います」

----ゴトビさんは2002年W杯では韓国代表のコーチをしていましたが、韓国人の気質と比べてどうですか。

「世界のいろいろな国で仕事をしてきたこれまでの経験から、私はいずれの文化にもクオリティがあることを知っています。どの国にもリスペクトすべき文化があります。どちらがいいかという比較はしたくありません。その土地の文化をしっかりと受け入れて、監督としてアダプトしてその文化の高いクオリティを活かしていきたい。文化は変えられるものではないですから、それぞれの国に適したサッカーをしていきたい。

 韓国についていえば、彼らには闘争心があります。メンタルが強い。その点を考慮しながらチーム作りをしていきました。対する日本人は少しシャイですが、スキルフルで賢さがある。日本の社会は非常に組織化されています。規律があります。団結力もある。それが日本の強みです。エスパルスでもその点を活かしていこうと考えています」

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