【Jリーグ】福田×名波が語る「仙台、広島、磐田が上位にいる理由」 (3ページ目)

  • 小室 功●構成 text by Komuro Isao
  • 高須 力,山添敏央●撮影 photo by Takasu Tsutomu,Yamazoe Toshio

名波 新加入の石原直樹(前大宮アルディージャ)が人のために動けるタイプで、そのおかげで寿人にしろ、高萩洋次郎にしろ、気持ち良さそうにプレイしている。高萩はもともと決定的なパスを出せる選手だけれども、サンフレッチェは今、この3人の関係が非常にいい。

福田 今季のサンフレッチェは監督が代わったばかりで、正直、すぐにうまくいくのは難しいのではないかと思っていた。ところが、森保監督が前任者のペトロヴィッチ監督(現浦和レッズ)のやり方を継承しつつ、自分なりに“感じる”部分を付け加えて、フレッシュな状態に持っていっている。アットホームなサンフレッチェの雰囲気に合っているというか、「みんなで力を合わせていこう」と、森保監督が効果的にまとめていると思う。

名波 ただ、上位にいる割には負けが多い。優勝を目指すとなるとどうか……。

福田 それは、あまり意識していないんじゃないかな。「優勝」という価値観がそれほど先行していないような気がする。サンフレッチェの哲学は、自分たちの目指すサッカーを続けることであって、優勝するかどうかは、また別の話。目先の勝敗より、哲学を貫く。そっちを重視しているチームだと思う。逆に、それでいいと思うし、それができるチームじゃない? あのやり方は試合によってはまったり、はまらなかったりするだろうから、負けることも多くなるよ。

――3位のジュビロも、森下仁志新監督のもと、ここまで大健闘しているチームと言えるのではないでしょうか。

名波 好調の理由は、何といっても攻撃陣の充実ぶり。トップの前田遼一と2列目の山田大記、松浦拓弥、ペク・ソンドンがすごく機能している。それは彼らのゴール数によく表れているし(13節終了時点で前田7得点、山田6得点、松浦3得点、ペク2得点)、決定機が多いから見ていて面白い。

福田 一時期、前田がシュートを打てていなかったけど、そこにはどんな原因があったのだろう?

名波 5試合連続シュートゼロというのがありましたね(ナビスコカップ第3節を含め、リーグ第5節から第8節まで)。パフォーマンス自体は、それほど悪いというわけではなかったんですけど……。

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