2012.05.05

【Jリーグ】木村和司が申す「シーズン序盤の監督交代に異議あり」

  • photo by Kishiku Torao

 それが逆に、社長やGM、それにコーチなんかも、ただ遠くから他人事のように見つめるだけで、監督を孤立させてしまうチームでは、さすがにいい結果なんて出ないよ。

 そうならないためにも、大切なことは、社長やGMと監督本人との話し合いや意見のすり合わせを、事前にしっかりすることや。社長以下、GM、監督、そしてスタッフが「こういうクラブにしよう」という共通認識を持って、それぞれが現状を把握しながら「今、チームのレベルはこの程度だから、こういう段階を踏んで、ここを目標にしよう」とか「こういうサッカーを実践して、上を目指していこう」という意思統一を図って、みんなが同じ方向を向いていることが重要だろうな。

 その辺は、ワシも横浜F・マリノスの監督時代を振り返って反省しているというか、いい勉強になったところ。話し合いやすり合わせをしっかりしないと、誰かが勝手なことを言い出したり、とんでもない目標を口走ったりして、チームが混乱するからな。

 そういう意味では、ワシ自身は周囲に惑わされず、自分の「色」をもっと出せば良かったな、と思っている。勝つことだけにこだわって、2年目からわざわざサッカーを変える必要もなかったな、と後悔する部分もある。まあでも、それもいい経験。監督をやってみなければ、わからなかったことよ。

 何はともあれ、何のコンセプトもなしに、監督をコロコロと代えているクラブではいかんやろ。魅力的なチームは作れないし、クラブの「色」というものもいつまで経っても築けないと思うけどな。

 さて一方で、クラブの「色」が築かれつつあり、素晴らしい戦いを見せているのが、ベガルタ仙台だ。

 昨季もそうだったが、今季は一層チームにまとまりを感じる。スタートダッシュに成功し、それまでやってきたことに間違いはなかったんだな、という自信をつかみ、チーム内でいい信頼関係が築けている。監督と選手はもちろん、選手同士にもそれがある。

 そのうえで、誰もが何をすべきかわかっていて、それぞれが選手個々の動きを把握している。だから、攻守において連動性があって、ボールも動くし、人も動いている。

 手堅いディフェンスをベースにした戦い方は変わらないけれども、少し全体のラインを上げたことで得点力も増した。それも、どこからでも点が取れているのがすごい。今は何をやってもうまくいく雰囲気があって、おそらく選手も監督も、負ける気がしないと思う。このまま行けば、年末には被災地から歓喜の雄叫びが聞けるかもしれんな。

関連記事