2012.04.04

【Jリーグ】木村和司が申す
「プロ化20年。今の選手は『魅せる』意識が欠けている!」

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 そんな状況を打破するには、まずはゴール前の攻防を増やさないと。そこがサッカーの醍醐味だからな。相手のいいところを消すサッカーばかりやっていたら、いかんと思う。お金を払って見に来ているお客さんが可哀相。

 選手個々もそう。ファンを楽しませるプレイを見せていかないといけない。いろいろなアイデアを駆使して、意外性のあるプレイを披露してほしい。「えっ、あそこのスペースを見てたの?」っていうね。見ている人は、そういう部分に感動するもんよ。

 もちろん、今もいい選手はいっぱいいる。プレミアリーグで活躍している宮市(亮)なんか、すごいやんか。強烈なスピードを持っているけど、あいつはそれだけじゃないからな。アイデアがあり、ひらめきがある。シュートにしろ、パスにしろ、そのタイミングとか、狙いどころが素晴らしい。いいモノを持っているよな。

 ボールの持ち方がいいから、スペースがないところでもドリブルで仕掛けていける。そこで、向こうのデカい選手たちのスライディングをかわせるのは、相手の動きを読んで、先の展開を予測しているからできる。ほんと、大したもんや。

 結局それは、普段から考えながらプレイしているからできること。日頃の練習の中でもいろいろなことを試して、あらゆるプレイを体の中に沁み込ませているから、目まぐるしく変わる状況に対応できる。センスはもちろんあるけど、その準備を宮市はしっかりしていると思う。

 要するに、「賢い」。いい選手というのは、そこ。頭がいいかどうか。何にも考えてない選手では、ただ速いだけで終わってしまう。宮市のようにスピードのある選手は他にいると思うけど、頭を使ってサッカーをやっているかどうかで、世界でも活躍できる選手になれるか、そのまま埋もれてしまうか、という差に表れる。

 Jリーグでもこういう選手がたくさん出てきて、魅力あるリーグになれば、才能のある選手も海外にばかり目がいかないと思う。逆に、海外の選手が日本でプレイしたくなるようなリーグになっていってほしいよな。

 ワシも監督をやってみて、改めてわかったことがある。"我がまま"に、自分が意図するサッカーをせんといかんな、と。面白いサッカーをしたるって、思ったよ。F・マリノスではそれがうまくできなかった。だから今、スクールとかで教えている子どもたちには「ちゃぶれ」って言っている。相手を尊重しながら、おちょくれよってな(笑)。

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