【Jリーグ】データで見る「チームを救ったディフェンダー」は意外な顔触れ (2ページ目)

  • 木村和司●解説 analysis by Kimura Kazushi text by Sportiva
  • photo by Yamazoe Toshio

横浜FMも獲得に動いたサイドバック

 ふたつ目は、「クロスブロック数ランキング」(表2)。決定的なピンチを防ぐものではないが、相手のチャンスを未然に防いだプレイという意味では、見逃せない要素だろう。

   クロスのブロックだけあって、各チームのサイドバックの面々が名を連ねた。なかでも、素晴らしい数字を残しているのは、1位の太田。1試合に1本以上、相手のクロスを遮断。太田のイメージは積極的な攻撃参加だったが、守備でも自慢のスピードを生かして素早い対応を見せていたわけだ。今季J1に昇格したFC東京は、攻守両面で大きな武器を手にしたと言えるかもしれない。

「相手の攻撃に対峙するサイドの選手には、まず何よりコースを切るという動きが求められるけれども、それを完全にブロックしてくれるのは、中央で構える選手、特にGKにとっては、助かるプレイだと思う。それにしても、マリノスも獲得に動いた太田に、こんな隠れたデータがあるとは知らなかった」(木村氏)

神戸の躍進を支えたセンターバック

 3つ目のデータは、ストライカー編で紹介した「敵陣空中戦勝ち数ランキング」とは逆の、「自陣空中戦勝ち数ランキング」(表3)。ストライカー編では、空中戦を制していた選手が得点ランクの上位に名を連ねていたことを思えば、たとえ攻め込まれる状況が多かったとしても、この数値が高い選手はDFとして評価されていいのではないだろうか。

   ストライカーと同じように、身長180cm以上の高さ自慢の選手たちがベスト10入りを果たした。

 際立つのは、上位にふたりも名前があがった神戸勢(1位河本、4位北本)。失点45はリーグ7位と、可もなく不可もなくといったところだが、クラブ史上最高位となる9位という成績を残せたのは、彼らの活躍が少なからず反映されたものだろう。

 意外なのは、木村氏が「ここに名前がないのが不思議......」と首をひねるように、横浜FMの強力センターバックがランク入りしていないこと。栗原勇蔵76回、中澤佑二70回という数字に止まった。ただそれは、敵がその強さを知っているがゆえに、あえて空中戦を避けた可能性もある。実際に、ふたりの自陣空中戦回数は100回未満だった。

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