【Jリーグ】データで見る「決定機を作るチャンスメーカー」トップ7 (2ページ目)

  • 木村和司●解説 analysis by Kimura Kazushi text by Sportiva
  • photo by Fujita Masato

データでも示されている「遠藤の凄さ」

 さて、話を表1の「アシスト数ランキング」に戻そう。2位のイ・グノ、3位のケネディ、そして5位のポポらは、ストライカー編(3月7日配信)で紹介した「シュート数ランキング」をはじめ、「スルーパス受け数ランキング」「敵陣空中戦勝ち数ランキング」などで上位にランクイン。そうしたプレイで決定機を作り出したと思われる。

「FWとはいえ、イ・グノはチャンスメーカーのイメージが強い。確かにシュートをたくさん打ったり、スルーパスを受けたり、彼のゴールに向かっていくプレイが、味方のチャンスにつながったのだと思う。ケネディはやはりポストプレイ。クロスに対する折り返しなど、空中戦で強さを発揮して味方のゴールを演出していた」(木村氏)

 では、5位の遠藤、藤本らはどんなプレイでチャンスを作っていたのか。セットプレイによる結果もあるだろうが、彼らがチャンスを生み出したプレイを顕著に示すデータがある。表3の「アタッキングゾーンへのパス成功数ランキング」だ。

   同データは、ピッチ全体を3分割して敵陣側3分の1へのパス成功数を示したもの。サイドスペースへのパスもあったりして、すべてが相手ゴールを脅かすようなチャンスメイクではないかもしれないが、攻撃時に味方へと確実にパスをつないだ本数だけに、チャンスメーカーとしての活躍度合いを示すデータとしては十分ではないだろうか。

 1位は、日本代表の司令塔でもある遠藤。唯一の500本台という数値もすごいが、79.0%の成功率には感嘆せざるを得ない。まさに攻撃サッカーを展開するガンバの「心臓」といった存在で、J屈指のチャンスメーカーと言っても過言ではないだろう。

「遠藤は常に相手の隙を狙っている。そのイメージどおりの結果が出ているデータ。イ・グノやラフィーニャが結果を出しているのもわかる。彼を含めて、中村憲、野沢、梁はパスの精度が高くて、いつも相手の嫌がるところを突いてくる。相手を引きつけたり、いなしたりというパスもできるから、ココという決定的なパスがまた生きる。それが成功数にも表れているのではないか」

 各チームの攻撃の要となる選手をそう称えた木村氏。ランキングに並んだ名前を改めて見渡し、「本当は、ここに(中村)俊輔が入ってきてほしいよな」とポツリと漏らした。

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