【Jリーグ】データで見る「敵にとって危険なストライカー」ベスト3

  • 木村和司●解説 analysis by Kimura Kazushi text by Sportiva
  • photo by Yamazoe Toshio

  

 ポポ、ラファエル、ジュニーニョの上位3人は、得点ランキングではベスト10に入っていないものの、放ったシュート数は相当なもの。決め手に欠けていたとはいえ、敵にかけた圧力は計り知れない。そして注目すべきは、彼らを含めて外国人プレイヤーが上位を独占していることだ。その事実に木村氏は「当然だろうな」と頷(うなず)き、こう続けた。

「サッカーとは何か? と言えば、点を奪い合うゲーム。つまり、シュートゲームであって、パスゲームではない。それを、外国人選手はよくわかっている。彼らは常にゴールを意識して、シュートを狙っていた。だから、ポポにしても、ラファエルにしても、対戦相手からすれば、怖いというか、嫌らしい選手だった。そういう意味では、日本人選手も意識を変えていけなければいけないだろう」

 木村氏はそう語ったあとに「ここにマリノスの選手の名前がないのはちょっと残念......」とため息をもらした。前半戦はトップ争いを演じていた横浜FMが後半戦で失速したのは、この辺りにも原因があったのかもしれない......。

原口元気の意外な持ち味

 ただ、シュートも無闇に打てばいいというものではない。より際どいシュートであればあるほど、敵にとっての危険度が増す。表3の「枠内シュート数ランキング」には、その度合いが示されていると言える。

   若干順位の変動はあるものの、シュート数が多い外国人選手がここでも上位を独占。「みんな、シュートに持っていくのがうまいし、その精度が高い」と、再び木村氏は同ランキングにも納得の様子。「1位のラファエルは、李天秀とのコンビで決定機を演出し、本当に危険な選手だった」と対戦当時を振り返る。

 ひとつ見逃せないのは、日本人トップで7位にランク入りした原口の存在だ。枠内シュート率も50%を超え、それだけ精度の高いシュートを放っている証。ちょっとしたことでゴールを量産する可能性を秘めるだけに、広島のペトロヴィッチ監督を迎えて新たな体制となった今季、"ゴールゲッター"として、さらなる飛躍があっても不思議はない。

2 / 3

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る