【高校選手権】市立船橋の優勝が高校サッカー界に突きつけた「命題」

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 末吉雅子●撮影 photo by Sueyoshi Masako

勝利への凄まじい執念を見せ、奇跡的な逆転優勝を飾った市立船橋。「朝岡監督から、小手先の技術だけでなく、『人間力』を学んだ。チーム全員が心をひとつにして、最後までがんばることをやめなかった。それが、この優勝につながったと思う」(MF池辺征史)勝利への凄まじい執念を見せ、奇跡的な逆転優勝を飾った市立船橋。「朝岡監督から、小手先の技術だけでなく、『人間力』を学んだ。チーム全員が心をひとつにして、最後までがんばることをやめなかった。それが、この優勝につながったと思う」(MF池辺征史)

 全国高校サッカー選手権決勝は、市立船橋が四日市中央工を延長戦の末に2-1で破り、9年ぶり5度目の優勝を果たした。

 このところの高校選手権では、6年連続で初優勝校が誕生するなど、群雄割拠(ぐんゆうかっきょ)の新時代に入っていた。それを考えると、市船の久しぶりの優勝には「名門復活」の印象を受ける。

 しかし夏のインターハイでは、市船が最近5年で3度も優勝しているのだから、決して低迷していたわけではない。新時代にあっても市船が強さを維持していることを、今回の高校選手権で改めて証明したというところだろう。

 とはいえ、近年、新興勢力の台頭も目立つ中で、久しぶりに伝統校が頂点に立ったことは、高校サッカー界にとって、それなりに意味のあることだったのではないかとも感じている。というのも、優勝した市船が、良くも悪くも「昔ながらの高校サッカーらしいチーム」だったからだ。

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