サッカー日本代表監督をもしアギーレが続けていたら... 森保ジャパンとの鮮明な違いとは
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日本代表が6日(現地時間)にカリフォルニアのオークランドで対戦するメキシコ代表。監督を務めるのはハビエル・アギーレだ。ご承知のとおり元日本代表監督である。
日本代表監督を務めた外国人指導者はアギーレのほかに7人(ハンス・オフト、ファルカン、フィリップ・トルシエ、ジーコ、イビチャ・オシム、アルベルト・ザッケローニ、ヴァイッド・ハリルホジッチ)いるが、元日本代表監督が現日本代表と対戦するのはこれが3度目となる(2度目は2012年にジーコがイラク代表を率いて対戦、2度目は2024年にトルシエがベトナム代表を率いて対戦)。
アギーレが日本代表監督に就任したのは2014年8月。就任期間は半年弱で、試合数は10だった。最後の采配は2015年1月にオーストラリアで開催されたアジアカップ。解任された理由は、サラゴサで監督を務めていた時に八百長に関与したのではないかとの疑いで、スペインの検察当局から告発されたことによる。
後にその潔白は証明されることになるが、日本サッカー協会は「疑わしきは罰せず」とは真逆の行動に出た。ただちに契約を解除すると、アギーレは会見を開くこともなく、速やかに日本をあとにした。アギーレはその後、アル・ワフダ(UAE)、エジプト代表監督、レガネス(スペイン)、モンテレイ(メキシコ)、マジョルカ(スペイン)の監督を歴任。昨年メキシコ代表監督に3回目の就任をした。現在66歳ながらバリバリの現役だ。
かつて日本代表を率いていたハビエル・アギーレメキシコ代表監督(右)photo by AFLO SPORT しかし、日本サッカーとの関わりは2015年以降ない。アギーレが避けているのか、日本側が避けているのか。お互いのコメントもない。当時の解任劇についてアギーレはどう思っているのか。わだかまりはないのか。潔白は証明されているので、謝るとしたら日本側だろう。日本メディアとしても触れにくい件なのか、元日本代表監督をフィーチャーした記事も見かけない。
さすがに10年前の話なので、記憶が薄れてきたことは確かである。しかし、筆者には鮮明だ。アギーレのサッカーは悪くなかったからだ。歴代の日本代表監督のなかでは一番よかったと見る。悪かった箇所に触れるなら、アジアカップを4試合同じスタメンで戦ったことだ。4試合目にあたる準々決勝でUAEに延長PK戦負けをした大きな原因はこれに尽きる。
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著者プロフィール
杉山茂樹 (すぎやましげき)
スポーツライター。静岡県出身。得意分野はサッカーでW杯取材は2022年カタール大会で11回連続。五輪も夏冬併せ9度取材。著書に『ドーハ以後』(文藝春秋)、『4-2-3-1』『バルサ対マンU』(光文社)、『3-4-3』(集英社)、『日本サッカー偏差値52』(じっぴコンパクト新書)、『「負け」に向き合う勇気』(星海社新書)、『監督図鑑』(廣済堂出版)、『36.4%のゴールはサイドから生まれる』(実業之日本社)など多数。

