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サッカー日本代表がワールドカップで2度も涙しているPK戦の歴史 近年は熾烈な情報戦 (4ページ目)

  • 後藤健生●文 text by Goto Takeo

【一層重要度を増すPK戦】

 PK戦というのは抽選のようなものだと言われ、とくに伝統国では批判も多いが、PK戦以上の合理的な解決法は見つかっていない。

 だが、PK戦は「運」だけの勝負ではない。情報戦でもあるのだ。キッカーやキック順などは相手GKとの相性や疲労度などを考慮して決めるべきだろう。パネンカにやられた後、西ドイツはPK戦を徹底的に研究。PK戦では絶対の勝率を誇っている。

 カタールW杯のクロアチア戦の後、日本代表の森保一監督は「キッカーの選択は選手に任せた」と語ったが、これではいけない。

 日本はW杯でラウンド16に4度進出しているが、うち2度もPK戦で敗退しているのだ。2026年のW杯はラウンド32からノックアウトステージに入るから、PK戦は一層重要度を増す。PK戦に備えて万全の準備を行なうべきだろう。

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著者プロフィール

  • 後藤健生

    後藤健生 (ごとう・たけお)

    1952年、東京都生まれ。慶應義塾大学大学院博士課程修了(国際政治)。1964年の東京五輪以来、サッカー観戦を続け、1974年西ドイツW杯以来ワールドカップはすべて現地観戦。カタール大会では29試合を観戦した。2025年、生涯観戦試合数は7500試合を超えた。主な著書に『日本サッカー史――日本代表の90年』(2007年、双葉社)、『国立競技場の100年――明治神宮外苑から見る日本の近代スポーツ』(2013年、ミネルヴァ書房)、『森保ジャパン 世界で勝つための条件―日本代表監督論』(2019年、NHK出版新書)など。

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