飛び級で代表に呼ばれる規格外のポテンシャル。20歳のGK鈴木彩艷が見据えるパリ五輪、ワールドカップ、プレミアリーグ

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • photo by Sponichi/AFLO

サッカー日本代表「パリ世代」インタビュー05
鈴木彩艷(浦和レッズ/GK)後編

 鈴木彩艶は浦和レッズ一筋でプレーする一方、世代屈指のGKとして、豊富な年代別日本代表経験を持っている。

 初めてU−15代表に選出されて以降、自分と同世代の代表に選ばれるばかりか、年齢が上の世代の代表に、いわゆる"飛び級"で選ばれることも珍しくない。

 そのすべてで正GKを務めたわけではないとはいえ、これまでに登録メンバー入りした世界大会は、U−17ワールドカップが2回、U−20ワールドカップが1回、オリンピックが1回と、20歳までですでに4回を数える。

 これほどの実績を持つ選手は過去にも例がなく、20歳の段階としては日本サッカー史上最多。彼の歩みを振り返るだけでも、鈴木彩艶という選手が規格外のポテンシャルを有していることがうかがえる。

◆鈴木彩艷@前編はこちら>>「フィールドでは何もできなくなった」少年が世代屈指のGKへ

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鈴木彩艷(浦和レッズ)2002年8月21日生まれ鈴木彩艷(浦和レッズ)2002年8月21日生まれこの記事に関連する写真を見る---- 鈴木選手はすでに4回の世界大会を経験していますが、試合に出場したという意味では、2019年U−17ワールドカップが初めての世界大会となりました。

「試合に出場してみて、キックなど自分の強みが通用すると実感しました。その一方で、ベスト16で敗れてしまった試合(メキシコ戦)を振り返ってみると、自分の本当に些細なキャッチミスでCKを与えてしまったり、そういう細かい技術のところで(敗戦という)結果がもたらされてしまうことも痛感しました。そこでの学びは、今に大きくつながっていると思います」

---- 同じU−17ワールドカップでも、自分が試合に出ると出ないとでは違うものですか。

「上の世代のチームに入った時(2017年大会)も、『試合に出るために』という気持ちでやっていたので、ふだんの準備は変わりませんけど、やっぱり実際にピッチの上でプレーすると、同じ大会でもまったく別物のような感じがしました」

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