E-1サッカー選手権で猛烈アピール。福田正博が考えるカタールW杯のメンバー入りの可能性がある2人とは? (3ページ目)

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Sano Miki

ダブルボランチにするなら橋本は可能性十分

 4-3-3にした場合、中盤のアンカー1枚の両脇のスペースは相手にとっては狙いどころになる。遠藤航の守備力は高いとはいえ、W杯でドイツやスペインを相手にして、そこをひとりで守りきれる保証はない。

 しかも、昨夏の東京オリンピックでは、遠藤が連戦の疲労によってパフォーマンスが落ちると、チームの守備力も低下してしまった。あの経験があるからこそ、W杯の短期間で強豪と対戦し続けるスケジュールや疲労度などを考慮して、森保監督は中盤の守備のところで誰を起用してもコンスタントに戦えるフォーメーションを持っておきたいのではないかと感じている。

 ダブルボランチにすれば、守備の安定感は増えるし、人材もいる。組み合わせは遠藤と守田、田中の3選手に加えて、原口、柴崎などを状況や試合展開、相手との力関係によって使っていくだろうが、ここに橋本という選択肢が加わる可能性は十分にあるだろう。

 もうひとつ橋本のメンバー入りの可能性を考えるのは、彼が2019年に初招集されてから長い時間代表の常連でもあったということだ。W杯までに残されている代表活動の時間は、ほとんどない。そのなかでチームの守備の核となるポジションの選手が新たに合流するのは難しいが、橋本には日本代表としてのほかのメンバーと時間を共有した実績がある。連携面などでの心配がないのもいい。

 相馬や橋本がW杯メンバー入りのチャンスを残したと感じるのは、ワールドカップの登録選手数が26人に増えたことも理由にある。そして、だからこそ選ばれてほしいと思う選手もいる。たとえば水沼宏太(横浜F・マリノス)は、26番目の選手としてカタールに連れて行ったらどうだろう。

 ワールドカップのような大きな大会では、すべての選手がピッチに立つために選ばれるわけではない。2002年日韓W杯の中山雅史や秋田豊がそうであったように、チームが一丸となって戦うために縁の下の力持ちになれる選手も不可欠だからだ。その点で水沼宏太のようなキャラクターの選手が選出されてもいいように感じる。

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