E-1サッカー選手権で猛烈アピール。福田正博が考えるカタールW杯のメンバー入りの可能性がある2人とは?

  • text by Tsugane Ichiro
  • photo by Sano Miki

相馬が持つ試合の流れを変える力

 相馬は香港戦で2ゴール1アシスト、韓国戦では先制ゴールを決めたほか、CKから正確なキックでゴールを演出した。相馬のポジションの左サイドアタッカーには、現状では南野拓実(モナコ)と三笘薫(ブライトン)がいる。この2人に割って入る存在というよりは、もう1枚のカードとして相馬を、今後も検討していいと思う。

 相馬のよさは積極性だ。ボールを持てば果敢に仕掛け、チャンスと見るやスペースに猛然と走っていく。シュートへの意識も高いが、味方を生かすための視野も備えている。もちろん、守備もしっかりとやれる選手だ。スタメンに限らず、試合途中から起用されても、持ち前の積極性で試合の流れを変えるエネルギーをもたらすことができるのも魅力だ。

 左サイドアタッカーは、南野と三笘を併用しながらカタールW杯を戦うことも可能だ。しかし、対戦相手であるドイツ、コスタリカ、スペインを考えれば、両選手だけでは心もとない。強度の高い相手から受ける疲労度や試合間隔を考えれば、このポジションの相馬を連れていく選択肢があってもいいだろう。

 橋本拳人はE-1選手権が始まる直前にヴィッセル神戸からスペイン2部のウエスカに移籍が決まったが、日本代表での活動を優先した。W杯に懸ける気持ちが伝わる行動だったのもあって注目したが、いますぐ日本代表のスタメンに名を連ねても遜色ないクオリティーを発揮していた。持ち前の推進力やゴール前にも顔を出せるダイナミックさは、W杯を戦う日本代表を助けるものになるはずだ。

 現状の日本代表の中盤には、遠藤航(シュツットガルト)、守田英正(スポルティング)、田中碧(デュッセルドルフ)、原口元気(ウニオン・ベルリン)、柴崎岳(レガネス)らがいるが、このなかに橋本が割って入る可能性は十分にあるだろう。

 ただ、そのために重要なポイントがある。それが日本代表のフォーメーションだ。森保監督は6月のブラジルやパラグアイなどとの国際親善試合では4-3-3を使ったが、E-1選手権では4-2-3-1とも4-4-2とも受け取れる布陣で戦った。

 私は、森保監督がカタールW杯で4-2-3-1のフォーメーションを使う思惑があるのかなと感じたし、その場合、橋本のW杯行きはグッと高まるのではないかと思う。

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