日本代表は右サイドだけが機能、なぜ左サイドは機能しなかったのか。終盤の交代も采配が裏目に出た (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

韓国戦は森保監督の力量が試される

 しかし、サイドアタッカーが中間ポジションを取るだけでは、用をなさない。さらに言えば、左サイドバックの佐々木は高い位置でのプレーを得意にせず、空回りは必然だった。サイド攻撃の要諦は、突き崩すことである。

 事実、終盤にサイドアタッカーの相馬勇紀を入れてから、左サイドは活性化した。単純にひとりで、ドリブルで仕掛けられるようになって、相手ディフェンスが混乱。パスでの崩しも少しは可能性が出た。

 一方で終盤、本来はシャドー、あるいはインサイドハーフで、サイドアタッカーではない満田誠を投入した右サイドは、完全に失速した。左は息を吹き返したが、右が死に体になった。完全に采配が裏目に出た格好だ。スピードはなくとも、緩急の変化でサイドを崩せる水沼宏太の投入で、簡単にチャンスを広げられたはずなのだが......。

 適材適所ではない選手起用は、チームが死地に入ることを意味する。広島の選手にそこまで執拗にこだわるなら、なぜクラブに近いシステムを使い、勝負にこだわらなかったのか。これでは思うような成果を出せない選手たちも気の毒だ。

 27日の韓国戦はどのようなスタメンになるのか。選手の力を最大限に生かす戦い方を見つけるべきだろう。サイドだけで言えば、右が水沼、山根視来、左が相馬、小池がベストになるか。もしかすると、選手以上に森保監督の力量が試される一戦かもしれない。

 
 
 

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