藤田譲瑠チマに膨らむ期待。「パリ五輪世代」のW杯メンバー入りはあるのか (3ページ目)

  • 浅田真樹●取材・文 text by Asada Masaki
  • スエイシナオヨシ●撮影 photo by Sueishi Naoyoshi

 その過程においては、すべてが順調に進んだわけではないだろう。少なからず壁にぶつかることもあったはずだ。

 というより、本人に言わせれば、きっと今も壁にぶつかっている最中なのだろう。それは、辛口の自己評価からもうかがえる。

 しかしながら、成長スピードは一向に緩む気配を見せない。藤田は身を置く舞台のレベルを段階的に上げながら、それでもみるみる成長していく。

 その成長速度には、目を見張るものがある。

 昨夏を振り返れば、東京五輪直前のU-23代表キャンプにトレーニングパートナーとして参加していた気鋭のボランチは、1年後、国内組だけの編成とはいえ、A代表の一員に名を連ねるまでになった。

 今季J1を戦い終える頃には、藤田がどうなっているのか。それを常識的な物差しで予想することは難しい。

「ワールドカップ(の代表メンバー)に入るという大きな目標の達成も大事だが、目の前の試合に集中することが大事」

 ざわつく周囲も意に介さない藤田に期待されるのは、当たり前に考えれば、4年後、北米3カ国で共催されるワールドカップで日本代表メンバーに加わることだ。

 だがしかし、もしかすると、カタールにも間に合ってしまうのではないか。

 そんな期待すらしてしまう、20歳のA代表デビューだった。

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