森保一監督の本性が見えた日本代表メンバー。選出ゼロの鹿島ファンはブーイングで応えるべきだ (3ページ目)

  • ,杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 佐野美樹●撮影 photo by Sano Miki

なぜ西川周作は選ばれなかったのか

 欧州ならば大問題に発展しているところだろう。地域性を無視しているというか、国内リーグを軽んじているというか、言い換えれば、森保監督は批判を承知のうえで鹿島勢を排除したわけだ。これまで見えにくかった森保監督の本性をここに見た気がする。鹿島スタジアムに駆けつける鹿島ファンは、大ブーイングでこれに応えるべきだろう。

 セレッソ大阪(Jリーグ6位)、FC東京(同7位)、さらにはGKの鈴木しか選ばれなかった浦和のファンも、怒るべき案件になる。

 佐々木、荒木、野津田、森島、満田。以上が、広島から選出されたフィールドプレーヤー5人の顔ぶれだが、選びたい候補者すべてを選んでしまった格好だ。満田という若手を登用したいのなら、佐々木というベテランや脇で構える森島は我慢するとか、28歳になってようやく居所を見つけた野津田を代表に推したいのなら、荒木は我慢するとか、GK大迫を外せない選手とするならば、フィールドプレーヤーはせいぜい3人程度に留めるとか......それが常識というか、正常なバランス感覚というものだ。

 そもそも広島が好調な原因は選手のポテンシャルというより、ミヒャエル・スキッベ監督の采配力、それに基づくサッカーの質にある。森保監督が同じメンバーの広島を率いたらJリーグで4位につけられるだろうか。

 もう1点の突っ込みどころはGKだ。浦和から唯一選ばれた鈴木は今季のJリーグに1度も出場していない。西川周作の完全なるサブに甘んじている。6月にウズベキスタンで開催された先のU-23アジアカップで、鈴木は確かに活躍した。A代表でも行けそうな可能性を感じさせるプレーを見せていた。だが、浦和ではあくまでもサブだ。Jリーグには1試合も出場していない。

 鈴木を選ぶなら、その前に実力者である西川ではないか。それが筋というか、A代表のあるべき姿だと考える。選手を管轄しているのはクラブだ。サッカー協会はではない。代表選手は育成年代のチームも含め、クラブからの借り物。主役はクラブなのだ。

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