森保一監督は新戦力発掘に後ろ向きか。E-1選手権の日本代表メンバー23人を選んでみた (3ページ目)

  • 浅田真樹●文 text by Asada Masaki
  • 佐野美樹●写真 photo by Sano Miki

W杯登録メンバー26人制の影響

 また、本来FWの西村は今季、横浜FMでうまくトップ下にハマり、新たな才能を開花させた。センターフォワードとの縦の連係を駆使して多くのチャンスを作り出している。

 タイプという意味では現在の日本代表にはいない2列目の選手であり、"裏抜け"にも長けている。UEFAチャンピオンズリーグの出場経験もあり、案外ワールドカップメンバーのラストピースとなりうる選手かもしれない。

 宮市と鈴木唯人は、タイプこそ異なるものの、一発の能力を備えているという点に魅力を感じる。

 まず宮市だが、単独で突破を図れるスピードがあり、左右どちらのサイドでもプレーできる。前を向いてボールを持ったときの雰囲気は、なかなかJリーグでは見られない迫力を感じさせてくれる。

 一方の鈴木唯人は、いい意味でプレー時の腰が高く、ボール扱いの懐が深い。ひとりで局面を打開してフィニッシュまで持ち込むことができるのは魅力だ。試合ごとに波があるとはいえ、J1でも数多くのスーパープレーを見せている。

 先のU-23アジアカップでは、それが国際舞台でも通用することを示しており、21歳という年齢を考えると、ここに挙げた4人のなかでも、残り半年足らずの間に最も大きく化ける可能性を秘めた選手だと言えるだろう。

 今回のワールドカップは、前回までの大会と比べ、登録メンバーが23人から26人に増枠され、1試合の交代枠も3人から5人に増える。

 その分、メンバー選びにも"遊び"が生まれる余地があり、一芸に秀でた選手が最後に滑り込みでメンバー入り、という可能性も、前回以前に比べれば高くなるはずだ。

 過去のE-1選手権を振り返れば、2013年大会(当時の名称は東アジアカップ)でA代表初招集となった青山敏弘が、それをきっかけにアルベルト・ザッケローニ監督に認められ、翌年のワールドカップ本番でもメンバー入りした"実績"もある。

 森保監督にも、ぜひとも前のめりで新戦力探しをしてもらいたい。

3 / 3

関連記事

キーワード

このページのトップに戻る