アジアカップ3位のU-21日本代表。「パリ五輪世代」でA代表入りを狙える選手は誰か

  • 松尾祐希●取材・文 text by Matsuo Yuki
  • photo by AFLO

コンディションには最善を尽くしたが......

 チームのコンディションの向上と勝利の二兎を追う――。そのスタンスで挑み、UAE戦を2-1で勝ちきった。その考え方はサウジアラビア戦でも変えず、選手のコンディションに配慮しながら勝負にこだわって勝点1を獲得。ノックアウトステージ進出が濃厚となっていたグループ最終のタジキスタン戦は、メンバーを大幅に入れ替えながら3-0でモノにした。

 最高の状態で迎えた韓国との準々決勝では、イ・ガンイン(マジョルカ)を擁するU-23チームを序盤から圧倒。FW鈴木唯人(清水エスパルス)の2ゴールなどで3-0と快勝した。

 しかし、ここからが難しかった。新型コロナウイルスにかかった選手が出たり、退場者を出したりした影響で、選手たちを思い描いたように休ませられず、準決勝を前に疲労がピークを迎えてしまった。ウズベキスタンとの一戦でベンチに入れた選手は18名。「間違いなく、みんな思うように動けていなかった」(鈴木唯人)と、立ち上がりから身体が重かった。

 前線からプレスを掛けられず、ビルドアップでも相手を外せない。自分たちのミスからショートカウンターを浴びて2失点。これを最後まで挽回できずに敗れ、3位決定戦に回ることになった。

 それでもチームはリバウンドメンタリティーを発揮。大会ラストマッチに気持ちを切り替えた。オーストラリアとの一戦はメンバーを大幅に入れ替えて戦ったが、今大会唯一の大学生・MF佐藤恵允(明治大学)が先制点を決めるなど、ここまで出場機会が限られていた選手たちが奮戦。攻守で相手を上回り、3-0の完勝で2年後の大会のポッド1獲得という最低限のミッションを遂行した。

 コロナ禍の不運などで最終的に難しい立ち回りを強いられたが、3位という結果を持ち帰った点は大きな価値がある。

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