稲本潤一が20年前の日本代表メンバーを回想。バチバチのライバル関係や中村俊輔の落選など、どう感じていたのか (3ページ目)

  • 原山裕平●取材・文 text by Harayama Yuhei
  • photo by AFLO

---- フラット3は左から中田浩二選手(鹿島)、森岡隆三選手(清水エスパルス)、松田直樹選手(横浜FM)という並びでしたが、ベルギー戦で森岡選手が負傷し、以降は宮本恒靖選手(ガンバ大阪)が真ん中に入ることになりました。

「浩二に関しては、彼自身チームではボランチをやっていましたし、左利きのCBというのも貴重だったので、ポゼッションやボールをつなぐところでは重要な役割を担っていましたね。僕自身は右に行ったり、左に行ったりしていましたけど、左に行った時の連係やコミュニケーションは、スムーズにできていたとは思います」

---- 右の松田選手に関しては?

「マツくんはすごく能力が高かったですし、守備の強さだけでなく、前への持ち上がりにも特長があったので、ボランチを組んでいた戸田(和幸/清水)さんと一緒に、マツくんが出ていったところをカバーするということを意識していました」

---- トルシエ監督とやり合っていた印象も強いですが。

「気が強いですからね(笑)。でも、結局は選ばれるし、レギュラーの座をモノにしたわけで、トルシエ監督の信頼感は大きかったと思います」

---- 真ん中の森岡選手はキャプテンという立場でもありましたが、ベルギー戦で負傷交代した影響はあったのでしょうか。

「あのシステムでは真ん中の選手が重要ですし、隆三さんはシドニー五輪も含めそれまでずっとやってきていた選手だったので、交代してしまった直後は多少混乱があったと思います。実際に同点に追いつかれてしまったわけですしね。

 ただ、ツネさんもしっかりとカバーしてくれましたし、僕自身はガンバでも一緒にやっていたので、そんなに違和感はなかったです。ツネさんは鼻を折っていたので不安もあったかもしれないですけど、残りの試合ではそれを感じさせないプレーを見せてくれたので、さすがだなと思いましたよ」

---- ボランチのパートナーを組んだ戸田選手の存在も、稲本選手にとって大きかったのでは?

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