サッカー日本代表に上々の辛勝。ブラジルは手を焼いたが「課題が出ただけ」だった (3ページ目)

  • 小宮良之●文 text by Komiya Yoshiyuki
  • 藤田真郷●撮影 photo by Fujita Masato

 しかし、90分間を通じて、ブラジルはリズムを奏でていた。ジンガの疼きか、ヴィニシウス・ジュニオール、フレッジは股抜きを決める余裕を見せた。ネイマールはエラシコを繰り出し、8本ものシュートを打ち、波状攻撃から奪ったPKを楽しそうに決め、おまけにサンバを踊った。

 ブラジルは日本に手を焼いたが、脅威は感じていない。事実、ダブルボランチのカゼミーロ、フレッジは分厚く、二列目を突破された場面は皆無に等しかった。枠内シュートも打たせていない。唯一、後半途中に伊東が外で受け、テンポを作ってから長友にボールを出され、折り返されたシーンは、多少危なかったが......。

「何もできなかった過去のブラジル戦と比べたら、今日は一番手ごたえがありました。まだまだ自分もできるなって感じさせてくれた」
 
 右サイドバックでプレーした長友は、「善戦」に胸を張った。

 一方、ブラジルは「辛勝」など、すぐに忘れるだろう。彼らにとってこの試合は、興行のひとつでしかない。彼らにとってその価値は、日本がオマーンやシリアに勝った親善試合と大きく変わらないのだ。

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