伊東純也から飛び出る衝撃エピソード。「骨折していても気づかずプレー」「プラチナ世代という言葉すら知らなかった」

  • 中田徹●取材・文 text by Nakata Toru
  • 渡辺航滋●撮影 photo by Watanabe Koji

---- 長身ストライカーのポール・オヌアチュとはクロスの息が合っていますね。

「彼とはクロスの部分では合いますね。ほかのところでは合わないですけれど(笑)」

---- ボールをつけるとか、リターンをもらうとか?

「そういったところは本当に合わないです。けれど、クロスの部分では強みを出してくれます。ポール(オヌアチュ)もそこだけにかけているんで。でも、彼はいいクロスを入れると外すんです(笑)。むしろ、『あ、ミスっちゃった』って思ったクロスを決めてくれます」

---- 念のための確認ですが、まさかわざとタイミングをずらしてクロスを蹴っていることは......。

「それはないですね。さすがに彼も全部外すわけじゃないので。何回も『決めろよ!』って思いましたけど、こちらがミスったクロスを決めてくれた時は自分にもアシストがつくから......まっ、チャラということで(笑)」

---- ゲンクに来て3年半。その間、6人もの監督(暫定除く)のもとでプレーしました。

「ヨン・ファン・デン・ブロム監督(2020年11月〜2021年12月在籍/現タアーウン監督)の時が一番よかったと思います。フィーリングがとても合いました」

---- どういう点でよかったですか?

「やっぱり点を獲れてましたね。テオ(ボンゴンダ)、ポール、自分の3人で100点以上に絡んでいたので(※3人で69ゴール42アシスト。伊東は12ゴール22アシスト)。ある程度、チームとして規律は必要ですが、アタッカーは適度に自由な役割を与えられたほうがやりやすいですね」

---- 監督が次々と入れ替わるなか、伊東選手は常に試合に出続けました。なかには大変な監督もいたのでは?

「自分は右サイドからの仕掛けが得意ですが、右利きを左サイドに、左利きを右サイドに置きたがる監督がいたので、その時は(右サイドでプレーしたいと)意見を言い続けました。そしてそのシステムがうまく行かない時、自分が右サイドから結果を出したら、その後も右サイドで使われるようになりました」

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