【日韓W杯から20年】2002年のワールドカップでベスト11人&期待外れだった11人を選出。豪華に見えるのはどちらか (2ページ目)

  • 中山 淳●text by Nakayama Atsushi
  • photo by Getty Images

優勝したブラジルの攻撃を担った「3R」

 DFラインは、1~3位チームの守備の要となったエジミウソン(ブラジル)、カルステン・ラメロウ(ドイツ)、アルパイ・オザラン(トルコ)の3人を選出したい。

 エジミウソンは、優勝したブラジルの弱点とされていたディフェンスの大黒柱として大活躍した、陰のMVP的存在。同じくラメロウも、カーンの陰に隠れてしまったが、大会ナンバーワンの堅守を誇ったドイツの守備を支えた功労者だ。

 そして、トルコの躍進を支えたのが、のちに浦和レッズでプレー(2004~05年)することになったアルパイ。大会前は故障で出場が危ぶまれていたなか、相手を圧倒するハードな守備でチームに安定感をもたらせた。

 DF部門の次点には、ブラジルの両ウイングバックのロベルト・カルロスとカフーほか、ホン・ミョンボ(韓国)、ソル・キャンベル(イングランド)、フェルナンド・イエロ(スペイン)らが挙げられる。

 MFには、ブラジルのリバウドとロナウジーニョ、ドイツのミヒャエル・バラック、韓国のパク・チソンの4人を選出。バラック以外の3人はFWでもプレーする選手だが、いずれもベスト11からは外せない活躍を見せたため、攻撃的中盤として選ぶこととした。

 ロナウドとともに「3R」としてブラジルの攻撃の中心を担ったリバウドとロナウジーニョは、華麗なテクニックと創造性によって数々のチャンスを演出し、自らゴールも決めた大会屈指のワールドクラス。

 とくに準々決勝のイングランド戦でロナウジーニョが決めたスーパーゴールは、世界中のサッカーファンを魅了した。

 累積警告によって決勝戦を欠場したバラックは、ドイツの司令塔としてクリエイティブなプレーと精力的な働きぶりで大会トップの4アシストをマークし、パク・チソンは攻撃陣の中心として、グループステージ最終のポルトガル戦で決勝ゴールを決めるなど、大車輪の活躍。韓国の大躍進に大きく貢献した。

 そのほか、韓国のユ・サンチョル、ベスト8進出に貢献したアメリカのクラウディオ・レイナ、そして初出場でベスト8入りに貢献したセネガルのハリル・ファディガも、ベスト11に相応しい活躍を見せた選手だった。

 FWでは、ブラジルのロナウド、ドイツのミロスラフ・クローゼ、トルコのハサン・サスの3トップを選びたい。

 当時26歳の怪物ロナウドは、コンディション面の不安を払拭し、尻上がりに調子を上げて通算8ゴールを記録。大会得点王に輝いたほか、大会中にヘアスタイルを変え、日本国内では"大五郎カット"と呼ばれてピッチ外の話題も提供してくれた。

 クローゼは、初戦のサウジアラビア戦でハットトリックを決めて華々しいW杯デビューを飾ったことが印象的だ。ちなみに、この大会で5ゴールをマークしたクローゼは、その後W杯で計11ゴールを積み重ね、現在もW杯歴代最多得点記録保持者に君臨する。

 そして、トルコの躍進を支えたハサン・サスの活躍ぶりも見逃せない。大会前は無名だったものの、いざ蓋を開けてみると大黒柱ハカン・シュクールの不振の穴を埋める以上の活躍を見せ、2ゴール2アシストをマーク。ベスト11から外せない選手だ。

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