森保一監督に「過去を否定する余裕」は見られない。招集された代表メンバーの焦点は?

  • 杉山茂樹●文 text by Sugiyama Shigeki
  • 中島大介●写真 photo by Nakashima Daisuke

 6月に行なわれる日本代表の4試合(6月2日・パラグアイ、6日・ブラジル、10日・ガーナ、14日・チュニジアもしくはチリ)のメンバーが発表された。

GK
川島永嗣(ストラスブール)、権田修一(清水エスパルス)、シュミット・ダニエル(シント・トロイデン)、大迫敬介(サンフレッチェ広島)

DF
長友佑都(FC東京)、吉田麻也(サンプドリア)、谷口彰悟(川崎フロンターレ)、山根視来(川崎フロンターレ)、板倉滉(シャルケ)、中山雄太(ズヴォレ)、冨安健洋(アーセナル)、伊藤洋輝(シュツットガルト)、菅原由勢(AZ)

MF/FW
原口元気(ウニオン・ベルリン)、柴崎岳(レガネス)、遠藤航(シュツットガルト)、伊東純也(ゲンク)、浅野拓磨(ボーフム)、南野拓実(リバプール)、古橋亨梧(セルティック)、守田英正(サンタクララ)、鎌田大地(フランクフルト)、三笘薫(ロイヤル・ユニオン・サンジロワーズ)、前田大然(セルティック)、堂安律(PSV)、上田綺世(鹿島アントラーズ)、田中碧(デュッセルドルフ)、久保建英(マジョルカ)

 総勢28人。通常より多い招集になる。だが、新顔は伊藤1人で、選外となった選手も、ケガ人を除けばJリーグで調子の上がらない大迫勇也1人に留まった。出入りの少ない、新鮮味に欠ける選考とはこのことである。

昨年11月以来の代表招集となった鎌田大地(フランクフルト)昨年11月以来の代表招集となった鎌田大地(フランクフルト)この記事に関連する写真を見る サウジアラビアに次いで2位に終わったW杯アジア最終予選と、ほぼ同じメンバーというわけだ。大丈夫かと心配になる。サウジアラビアにアウェーで敗れたことはギリギリ許されるとしても、小国オマーンにホームで敗れ、同じく小国ベトナムに引き分ける姿は、ぶざまと言うほかなかった。今回招集した28名の顔ぶれから、反省のほどは伝わってこない。予選突破に安堵し、本大会出場に満足する姿が透けて見える。

 これまでのW杯なら、このまま本大会へ向かわなければならなかった。ハリルホジッチ解任を受け、西野ジャパンとして本大会に臨むことになった前回は、5月30日が壮行試合(ガーナ戦)だった。しかし、今回のカタール大会はこれまでのW杯とは異なり、半年後の11月21日に開幕戦を迎える。時間的な余裕はたっぷりある。森保一監督は今回のスケジュールの特殊性を、どこまで実感として認識しているのだろうか。

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